Weekend In 心は L.A.

音楽と楽器、そして時々海外に

 

CTA(CaliforniaTransitAuthority)at Billboard Tokyo(2018.4.19)

【MEMBERS】
Danny Seraphine(Drums)
Marc Bonilla(Guitar)
Edward Roth(Keyboards)
Travis Davis(Bass)
Tony Grant(Vocals)
Bill Champlin(Keyboards, Guitar, Vocals)
Donnie Dacus(Guitar, Vocals)
吉澤達彦(tp)、川島崇史(Sax)、鹿打奏(tb)


The Entrance 2018.4

30年ぶりにDanny Seraphineが来日というニュースが飛び込んできた。Danny Seraphineと聞いてシカゴの初代ドラマーとピンと来た方は、かなりのシカゴ通?
1989年ツアーで突然解雇されシカゴを去ったDanny Seraphine。ショックで長期間、音楽から遠ざかっていたとか。シカゴはもともと大学友人つながりのバンドなので忸怩たる思いがあったのでしょう。20年ぶりに結成したのがシカゴのカバーバンドということは、相当思い入れがあったはず。2006年にDanny Seraphineが結成したのが、CTA (California Transit Authority)。この名称もいかにもです。

他のメンバーは上記のとおり。Donnie DacusとBill Champlinは、かつてシカゴで一緒にやったメンバーで、どちらもゲスト扱い。面白いことにCTAは管の正式メンバーがいなく、その場その場でトラを雇ってライブをしているとのこと。
「正式メンバーにすると金がかかってしょうがないから」とDanny Seraphineは言っているけどこのあたりどうなんでしょう。ライブで雇ってもギャラは出すわけだし、なによりシカゴの曲をやるのに管を毎回変えるというのも不思議な感じ。あの3人でなければ正式メンバーにしたくないということなのか、人数が多くなってまたバンド内がごたごたするのはもう勘弁ということなのか?何か心情的な理由があるような気もします。

オープニングは、当然Introduction。
第1期ファンなら初期の曲に思い入れがあるのは当然ですが、中でもやはりこの曲はいい。ポップでもなく洗練されていないサウンドに、テリーのだみ声で”Hey there everybody‥‥‥”と入ってくるのを期待してしまうけど、テリーは天国か。ホーンセクション3人は私は誰も知らなかった。もちろん譜面を見ながらだけど、きっちりこなしている。「バンザイブラス」と紹介されていたけど、これは日本ツアー限りなんでしょう。
全部演奏するのかと期待していたけど、残念ながらメドレーでMake Me Smileに。Introductionは、途中のブレイクからリズムパターンが変わって、管ソロからギターへのインストパートが続くところが好きなんですが、しょうがないね。

さらにメドレーでQuestions 67 & 68になだれ込む。
周りを見回すと当然同年代が多い。Danny Seraphineと聞いてピンと来る年代のはずだから、70年代のファンが中心なんでしょう。私のすぐ隣は夫婦連れ。若そうで綺麗な奥様だったので、これは旦那に無理やり連れてこられたかと思っていたが、開演前の話をもれ聞くと「やっぱりシカゴはDanny Seraphineの頃だよね。」と奥様。なるほど二アリー同年代のファンだったか。
(最近の女性はアラフィフでも綺麗ですね。)

続いて、なんとジョージベンソンのTurn Your Love Around。事前の調べで予想はついていましたが。ボーカルのTony Grantは、良くも悪くも典型的な黒人ボーカルで、こういうソウル系が似合っている感じでした。もともとはソウル畑なのか。

Donny Ducas がギターを抱えて登場、Turn Back The Pages、Ain't It Timeの2曲を披露。かつて『HOT STREET』1枚だけに参加したが、アルバムもギタープレイもほとんど評価されなかった悲運のギタリスト、Donny Ducas。この付近はまったく聞かなくなった時代で、正直、何の感慨もない。

ステージ左右にキーボードがいる。左手は正式メンバーのEdward Rothだが、右手のキーボードはだれだ。さっきから時々ボーカルもとっているけど。(今回は最上階のカジュアル席なので、うつむき加減でキーボードを弾いているとほとんど顔が見えません。)
気が付いて驚いた。あの白髪のおっさんがBill Champlinだ!

はっきりいうと、ボーカル上手くないねと思っていたので余計に驚く。80年代以降のシカゴを、30年に渡り支えたBill Champlinと同一人物なのか。もちろん、彼がフロントを務めた時期のシカゴはまったく聞かなかったので記憶もないし、YouTubeで彼のライブを聞いても感心したことも無いのですが、好き嫌いは別にしてリズム感が失われているのでは。
Donny Ducasはともかく、Bill Champlinのファンは多いでしょうから、どうなんでしょう。こういうライブで上手、下手を論じるつもりはないですが、彼も歳とったのかな。


Japan Live in 30 Years 2018.4

シカゴは今日をいれて確か3回目のライブですが、Dialogueは初めて聞きいたかな。シカゴ最後の政治色の曲というイメージ。生ピソロからDoes Anybody Really Know What Time It Is?これはめずらしくボーカルをTravis Davis(Bass)がとる。これが結構うまい。私はDonny DucasとBill Champlinのボーカルよりずっといいと思いました。ギターソロからColor My World。アレンジはラフな感じもするけど、なんだか楽しそう。

全体にDanny Seraphineのドラムが非常にいい。昔の記憶よりタイトでいいサウンドだ。
グリップを見ると、マッチドグリップとトラディショナルグリップを曲によって使い分けている。私はドラムの奏法に詳しい訳ではないので、どんな風に使い分けているのかわかりませんでしたが、かなりドラムサウンドに気を配っているのは確かです。

そしてI'm a Man。パーカッションパートが長尺でやや冗長な曲というイメージがあったけど、リズム隊がタイトな16Beatで演奏すると非常にかっこいい。ライブ向けの曲なんでしょう。

ステージ上の音楽リーダーはEdward Rothで、しきりと周りに指示を出している。と、そこにBillboard Tokyoの係員が何度か耳打ちに行く。時間が押しているのだな、とピンと来る。だって今日のセットリスト、普通なら2時間ライブの曲数だもの。一部をメドレーにしてMCも極力省略しながら進行していたけどやっぱり無理だよね。

Billboard Tokyoは、1部が19:00~20:30、2部が21:00~22:30でキッチリ運営されていてだらだら伸びることがない。特に、1部はメンバーの休憩とサウンドの微調整があるので、絶対に時間通りに終了する。当然、事前に聞いているでしょうが、ルーズな進行に慣れていて、ミュージシャン側が頭を切り替えてないと、曲をカットしたりということが起こってしまう。

2日前の第1部では、クロージングに25or6to4、アンコールにSaturday in the Parkで総立ち、なんて情報がアップされてましたが、やはり、I'm a Man終了後にメンバー紹介をすると袖に引っ込む間もなく25 or 6 to 4を演奏し終了。当然アンコールは無。ロックは観客のノリとステージ上での気分だよ!なんてのはもう30年前のことなんでしょう。


Ticket of 1st Stage 2018.4

今日の演奏が、シカゴかシカゴでないのかなんてことはどうでもよく、ともかく30年ぶりに聞けて良かった。(Donny DucasとBill Champlinは、、、う~ん必要だったのかな。)
一番驚いたのは、70歳になったDanny Seraphineのドラムが非常に良かったこと。心身ともにかなり充実していたのではないかな。MCで、30年ぶりに日本に戻って来たよ、俺のこと覚えているかい?なんて何回も話していて、本気で懐かしく楽しそうでした。

70歳になって、30年ぶりに自分のやりたいことをやれた男っていいな。
正直、当時のDanny Seraphineより、今のダニーの方がかっこいいよ‥‥‥

【Set List】 4/19 1st Stage
1. Introduction Overture
2. Make Me Smile(Vo.Bill)
3. Questions 67 & 68
4. Turn Your Love Around
5. You're the Inspiration
6. Turn Back The Pages(Vo.Donny Ducas)
7. Ain't It Time(Vo.Donny Ducas)
8. Dialogue
9. Look Away(Vo.Bill)
10. Piano Solo ~ Does Anybody Really Know What Time It Is?(Vo.Travis)
11. Guitar Solo ~ Color My World
12. Hard Habit to Break
13. I'm A Man(Vo.Donny Ducas)
14. 25or6to4
 ※無印はTony Grant(Vocals)

東京Jazz16th at 東京国際フォーラム(2017.9.1)

毎年、9月の最初の週末に行われる東京ジャズフェスティバル。
今年も行こうかなと思って調べると、今まで有楽町の東京国際フォーラムで行われたものが、今年は渋谷に変わっていました。今年は、初日金曜日の夜に行こうと思っていたので、仕事帰りなら有楽町の方が近いよと一瞬舌打ちするも、よく考えれば渋谷も変わらないか。

この東京ジャズフェスティバル、メインのライブは、土、日の昼の部、夜の部と4コマに分かれていて好きなところを聞けるようになっていて、それぞれのコマが3つのアーティストからなっているので、組み合わせと自分の都合を考えながらどこにするかと考えるのが結構楽しい。


渋谷から代々木公園までの新会場   2017.9

というのが本来の楽しみ方なのですが、3年位前から別の楽しみにはまってます。
ホールでのライブを補足するような形で行われている、東京国際フォーラムの地上広場で行われる無料ステージを聞きながら、そこに出店している多国籍風夜店をあちこち覗き、シシカバブーだの、ピザだの、焼き豚だのをビール片手に食べ歩く。
9月の初旬ということで、蒸し暑さは一段落しているので、爽やかな風に吹かれながら食べ歩き、そこに生のジャズが流れてくる、というのがとても雰囲気がいいのです。
中でもタイの「トムヤムラーメン」は、毎年絶対食べるお気に入り。
一体、それが渋谷でも実現できるのか。


ガラ~ン   2017.9

初日のプログラムを見たら、トップバッターがなんと16時10分スタートなので、外の仕事から直帰すると見せかけて、明るいうちから渋谷公園通り経由で代々木公園ケヤキ通りに向かう。
いくらなんでも早すぎたか、ほとんど夜店が開いてないよ。まだ明るいし。
ビールはゲット出来したけど、食事はほとんどやっておらず、なんとかフィッシュアンドチップスを見つける。やっぱり6時頃から夜店が始まるのかなと、よくよく見るとテントの中は空っぽ。そうか、金曜日はそもそも前夜祭のようなもので人出が少ないのを見越して、土日だけ開く店が大半なんだ。ガッカリ。タイの「トムヤムラーメン」を食べるのを楽しみにしてたのに。


The Eastman Jazz Street    2017.9

無料ステージはThe Eastman Jazz Streetというセクステット構成のコンボ。
ニューヨークの音楽学校(バークリーじゃなかったと思います。)の同期生かなにかで結成したコンボらしい。最初の挨拶で言ってたような。
まだ人出は少なかったけど、ステージ前のミニ広場は一応60人位の立ち見で埋まりました。
この無料ステージ、東京ジャズのコンセプトだと思うのですが、いわゆるストレートアヘッドの保守本流ジャズは出ない。今回はたまたまアメリカのコンボだったけど、リトアニアとか聞いたことないような新進気鋭のアーティスト、サウンドはコンテンポラリー系、が毎年意識的に出演しています。
私は、かえってこういう方が楽しいな。いまさら昔のジャズ喫茶のようなジャズを屋外でやられてもね。
それなりに楽しいステージでした。確かウェインショーターの曲を1曲やっていたと思う。3管がフロントに並んでのウェインショーターっぽいサウンドと言えば、概ね想像できるでしょうか。


今年も始まった   2017.9

ただ、ステージが終わってもまだ明るい。まだ5時だ。
これから45分後に次のステージですと言われても、なにしろ夜店が空いてないのだから、ビール片手に何か食べて待つという訳に行かないのが辛い。‥‥‥周りを見回すと、渋谷に向かって帰り始める人も多し。(駅から歩いてくる人もそこそこいましたが。)
私も結局、このステージだけで帰路につきました。

金曜日の明るいうちから来た自分が悪いのか、渋谷の会場が、例年のまったりした心地よい雰囲気に合わないのか、ともかく今年は残念でした。
今年の評価は、家に着いた時の、家族の次の言葉で明らかでしょう。

「もう、帰ってきたの!?」

Earl Klugh Live At Blue Note NY (2017.8.8)


Blue Note NY Greenwich Village 2017.8

(今日、66,666 Hitを迎えました。私のブログに遊びに来て頂いた方すべてに感謝します。)
この夏、ブルーノートにアールクルーを聞きに行きました。
あれ?アールクルーって今夏、来日していたっけ?
実は、東京は南青山のブルーノートではなくて、New Yorkはグリニッジヴィレッジのブルーノート。
ずっと前から行きたかったNew Yorkに、この夏ついに行ってきました。New Yorkといえば絶対にライブ、ということで最終的に選んだのがこの公演でした。

アールクルーのライブサウンド以外のこと、例えばお店のシステムとか他のライブハウスのことなども沢山書きたいことはあるのですが、それらは、別途、予定しているNY旅行記で書くこととし、今回は中身の紹介に徹します。

1970年代後半から80年代のフュージョンブームの頃に夢中で音楽を聴いていた方、しかもギターに興味がある方なら、好き嫌いは別として絶対に知らない人はいないと思われる異色のギタリスト、アールクルー。アコギ1本で勝負する黒人のギタリストは、それだけで異色でした。フュージョンが大好きだった自分も、アールクルーに大いに惹かれました。今となっては最初に聞いたのがどのアルバムか忘れてしまいましたが、数多くの中で1枚あげるとすれば、やはりこのアルバム。


Finger Paintings(1977)

出た―!私がいうところのフュージョン核爆発の年、1977年の作品。
持っていたLPもほとんど処分してしまいましたが、これは結局CDで買い直して今でも聞いてますもん。
アコギというとイージーリスニング的とらえられ方をするのが気に入らないのですが、このアルバムのアレンジとバックは、泣く子も黙るデイブグル―シンファミリー。ビートが効いてラテンフレイバーでダンサブル、でもどこまでも優しいクルーサウンド。やはり、1曲1曲のメロディーが本当に素晴らしい。「優しくてさわやか」となれば容易に想像が出来るよう、当時、色々なTV番組のテーマ曲(天気予報とか)になっていました。

今宵のメンバーは、
Earl Klugh(Gt)
Al Turner(Bs)
Ron Otis(Dr)
David Spradley (Key)
Tom Braxton(Sax)            
というもので、ドラム、ベース、キーボードのリズム隊は、ここ10年ほど一緒に活動している気心知れたメンバー。サックスも最近よく一緒にやっているな。
(YouTubeの「Earl Klugh Live at Java Jazz Festival 2013 」をご覧頂くと、サックス以外は今晩のメンバーがプレイしています。)
ジャズの場合、日替わりでメンバーを変える人も多い中で、バンド的に行動を共にするというのは珍しい。ある程度歳をとってきて、あまり神経を使わなくてもプレイできる気心知れたメンバーが心地いいのかな、と思いました。アールクルーも64歳だもの。



向こうのライブハウスは、一般的に、開演前だけでなく公演の最中も写真が許されているので、その時の写真と、せっかくなので動画を1本。バックのお店のアナウンスを聞くと、「録音とフラッシュ撮影は駄目ですよ。おしゃべりは小声で。」なんて言ってますね。今回は忠実に守りました。
アールクルー以外のメンバーの準備が整い、アールクルーをステージに呼び込み、動画最終のキーボードの刻みから今宵の演奏が始まった、まさにライブスタート時のもの。

1つだけ心配ごとがありました。
今回のアールクルーの公演は8/8から8/12、毎日PM8:00からとPM10:30からの2ステージ制の計10ステージ。こういう連続公演の場合、最初のステージは絶対に避ける、というのが音楽好きの間では常識です。お店の音響もまとまって無いし、新規メンバーが慣れてなかったり、新曲や新アレンジで微妙なミスが出ることもある。(さらに日本公演ならミュージシャンが時差ボケ等で疲れている。来日公演初日は、チケットの売れ行きが低調なのは常識です。)
しかし、翌 8/9が New York滞在最終日で帰り支度をしなくてはならず、8/8しかチャンスがない。また、PM10:30からのステージは終わりが12時になってしまい、NYの街を深夜に移動するのは絶対に避けたい。(お店のあるグリニッジビレッジ周辺は、バブル期の渋谷道玄坂のようなところで、深夜のタクシーはまずつかまらない。)
消去法で、初日の第1ステージとならざるを得なかった。一番条件の悪い。
心配事は私の杞憂で終わってくれればいいのだが。


My Seat Was Very Close To The Stage 2017.8

‥‥‥その杞憂は当たってしまいました。
残念ながらアールクルーのコンディションはいいとは言えなかった。
有名曲のメインテーマにもミスが目立つ。たまにミスどころか、他のメンバーがフォローの音を入れるくらい。アールクルー自身も、何曲か弾いた後、どうもすっきりしないなと後ろを向きながら首をかしげる。アールクルーから5mも離れていない、ステージ直近の席で聞いただけに、そういう一瞬の雰囲気まで伝わってきてしまうのが辛い。

ここしばらくアールクルーのライブを見たことがなかったので、年齢のせいなのかと思いました。
が、帰って来てから、先ほど紹介した「Live 2013」を見る限り、十分聞けるサウンドの冴え。
直前の練習が体調不良とかアクシデントでままならなかったのか?
後半はやっと安定してきました。翌日以降のステージはどうだったのでしょう。
お金を出したのにいいサウンドが聞けなくて残念というより、かつての自分のギターヒーローが輝いていない姿を見るのが少し辛かったです。


Earl Klugh ! 2017.8

ライブでは、いつも演奏曲名をコースターにメモしてくるのが私の習慣なのですが、紙ナプキンの切れ端にメモしたものが、まだ旅行の荷物が未整理で見つからない。帰り際にデイパックに突っ込んだのに。
NY旅行記までに発見したら、改めてセットリストを載せます。

バックの4人は、長年一緒にやっているだけに息がぴったりあっていて、気持ちいいサウンド。軽くてタイトなドラムは特に気にいりました。もちろん、Midnight In Sea Juan、Living Inside Your Love、Heart String、Brazilian Stomp、Vonetta などの珠玉の名曲を、きっちり演奏してくれました。
一番の盛り上がりはDr. Macumba でのアドリブ合戦。

New York で Earl Klugh に会えるとは思わなかったよ‥‥‥

八神純子 (2017.4.21) at Billboard Tokyo  “The Night Flight 4”お宝音源

八神純子はポプコン優秀曲賞2年連続入賞という勲章付きでデヴュー。「思いでは美しすぎて」「水色の雨」と1978年にビッグヒットを連発して、あっという間にポップミュージックシーンの中心に。
私の大学時代と完全に重複していることもあり、私もいくつもの学園祭で八神純子さんの曲を演奏しました。インストバンド以外にも、いくつかの大学の音楽サークルでバンドをやっていたのですが、その一つ、女子大のサークルでは女子大の娘はボーカル専門だったので、バックバンドの他大の音楽野郎によく譜面が配られました、八神純子の。当時は、今のように楽器を演奏する女子大生がいませんでしたから。

八神純子のどこが好きだったかというと、バックの演奏が普通のバンドサウンドだったところ。ニューミュージックの、特にシンガーソングライティングする女性は(多分、自分の歌を中心に聴いてもらいために)バックの演奏はおとなし目で、ピアノ弾き語りに少し電気楽器を加えてみたよ、というアレンジでやる人が多い。正直、こういうのはバックで演奏していると欲求不満で眠くなってしまうんです。ところが、彼女の曲は演奏していてとても面白かった。サンバやボサノバ調の曲も多かったし。八神純子も、Melting Potというバンドとずっと一緒に活動していました。(山下達郎とずっと一緒にやっていたギターの鳴海寛さんも、一時在籍していました。)

思い出話しが長くなりましたが、彼女が結婚してアメリカに行ってからは記憶のかなた。そんな時、突然、ビルボードでライブをやる、しかもバックが日本の重鎮の面々。これは行くしかないということに。
ビルボードは予想どおり自分と同年代の聴衆。夫婦率が異常に高かったのがいつもとの違いだったかな。


Member of Tour NightFlight

演奏が始まると、懐かしいボーカルが聞こえてきた。一瞬で昔の記憶が蘇る。カーペンターズでしっとり入った後に昔懐かしいナンバーを立て続けに2曲。Break Outでは一緒に歌いましょうよと声をかけてくれるのだけど、この客層では無理だな。基本的にシャイな日本人、ましてやアラフィフの夫婦連れじゃ。

アメリカでもずっとライブ活動をしていたのなら、ソウル系、ポピュラー系の曲も歌うのかなと思ったのですが、それは無く全盛期の曲が中心でした。多分、聴衆の8割以上は昔のファン層でしょうから、これは正解なんでしょう。
少し心配だったのは声質が劣化してないかということ。昔懐かしいボーカリストのライブに行くと、キーが全音も下がっていて、つややかな声質がざらざらになっていたという経験をしていたので。でも予想に反して声の衰えはほとんど感じられなく、あの綺麗なファルセットはほぼ健在でした。

演奏は予想どおり余裕綽々のサウンド。後藤次利 (Bs)、 村上“ポンタ”秀一(Ds)、佐藤準(Key)、北島健二(Gt)という、そうそうたるメンバー。後藤次利は、当時から一緒にやっていましたが、他はこのツアーを始めたときに人選したようで、純子さんのバンドサウンド好みが表れていると思います。
曲のアレンジは後藤利次が担当しているようで、昔と同じにやるのも何なので変えようと思ったのだけど純子さんから駄目出しが出て、なんて話をしていました。水色の雨は少しテンポを落としたサンバでやってました。(この曲はもっといいアレンジが出来たような気がしたけど。元がいい曲ですから。)

Get Here、夢中という最近の曲を最後の方に2曲。彼女が渡米してからの作品はほとんどフォローしていないので、馴染みはなかったのですが。八神純子の作曲は、フォーキーな曲、少し歌謡曲的なメロディの曲、ポップでやけにお洒落な曲と3パターン位に分かれていて、3番目のパターンの曲がいいアレンジャーにかかると、素晴らしい曲になったような気がします。
書き忘れましたが、八神純子さん、年は自分と同じにとっていましたが、綺麗でしたよ。
むしろ、昔の所属レーベルがなんとかアイドル路線で売ろうとしていた頃よりずっと。


八神純子&Melting Pot 1979.10.17 Sutdio Live

最後がツアータイトルにもなった「夜間飛行」。彼女の曲の中で一番好きな曲です。
今回、この曲をやってくれたのがとても嬉しかったので、自分のお宝サウンドの中から、1979年スタジオライブ音源をYou Tubeで公開してみました。LPバージョンにかなり忠実にやっています。
ヘッドホンで聞くとわかるのですが、アコギの刻みがお洒落です。

大学時代、目茶目茶夜更かしで、毎晩3時頃まで音楽を聴いたり本を読んだりしていたのですが、この曲を延々とリピートしていた時が結構あったような。夜が更けてくると、熱気のある曲は聴いてられなくなって、こういう女性ボーカル曲を静かに流すのが一番気分良かったっけ。

実は今回のライブで、この曲のライターが後藤次利 だったというのを始めて知りました。
ずっと八神純子だと信じて疑わなかったのは、それだけ彼女のボーカルにあった曲だからでしょう。この曲は8ビートのところが面白い。普通、これだけスローな曲は16でたたきたくなるはずで、8ビートでやると間が持たなくなるのですが、上のYouTubeも、当日のポンタも少しも間延びしないリズムなのはさすがだと思います。

そして、何と言ってもコーダのギターソロが大好きでした。このギターソロは、八神純子とずっと一緒にやっていたMelting Potの矢萩秀明(Gt)さんです。ナチュラルディストーションのレスポールに、深くコンプとリバーブをかけた、この音色にノックアウトされました。結局、30年以上経った今も、自分の理想のギターの音色はこの音色ですから。

このソロ、またコピーしてみようかな‥‥‥


※この曲のオリジナル(2ndに収録)のギターソロを調べたら、松原正樹さんでした。
日本でAOR系のギターソロを弾かせたら右に出る者がない位で、散々コピーしました。上の矢萩秀明さんのソロとオリジナルを聴き比べてみると、音色やフレーズの作り方の違いが感じられて興味深いです。

[八神純子 Set List 2017.4.21]

1.We've only just begun
2.思い出のスクリーン
3.初めての愛
4.Break Out
5.そっと後ろから
6.甘い生活
7.Instrumental
8.水色の雨
9.Get Here
10.夢中
11.夜間飛行
--Encore--
12.パープルタウン
13.出発点(弾き語り)


YES Tales from Topographic Oceansツアー At Orchard Hall (2016.11.22)

YES来日、という小さな囲み記事を見つけた。何を隠そう、中学生の頃、YESはプログレ好きの自分の中でも一番好きでした。(実は、10年程前、あるプログレセッションで、YESのコピーを何曲も演奏したことがあります。)最近の、私の来日アーティストライブに行こうかなと思う動機は「このメンバーが亡くなったら、もう2度と見られなくなるよな」ということなのですが、YESの場合は、昨年、ついに一番の中心人物、クリススクワイアが亡くなってしまいました。

仕事帰りに Orchard Hallに到着。当然1人で行くと、隣は同年代のサラリーマン風が2人。2人のYES昔話しを聞くともなしに聞いていると突然、「お前、今度の転勤が最後になるのか?」「そうだと思う、もう54歳だし。」YESを聞いていた同世代も、今やそういう世代だよな。


Tales From Topographic Oceans

10数年ぶりにYESのLiveに来たのは、クリスの追悼の意味も勿論ありますが、今回のツアーが「海洋地形学の物語ツアー」となっていたからでした。
長寿バンドYESはメンバーチェンジとともにサウンドを何度か変えていますが、自分が一番好きだったアルバムは、ダントツで『Tales from Topographic Oceans』。
LP2枚組で4曲、統一的なメロディーがなく長くてパッチワーク&モザイク的な複雑な構成の曲は、初期YESファンの中でも一番好き嫌いが分かれたアルバムと記憶しています。
でもそこがマッチした、ポップで乗り乗りのわかりやすさ、ということにほとんど価値を置いてない自分としては。ストラビンスキーのバレー3部作(火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典)をロック以上に愛する自分としては、それに通じる香りが最高に好きでした。
改めて今聞いても、すべてのフレーズを覚えているのにわくわくする。まさに至高のシンフォニーです。


This Time Tour's Member  2016.11

Steve Howe(Gt)
Alan White(Dr)
Jay Schellen(Dr)
Billy Sherwood(B)
Geoff Downes(Key)
Jon Davison(Vo)

ここ10年、ほとんど聞いてなかったこともあり、メンバーも調べずに来てしまった。
YESのLiveを聞くのは、通算数回あるのですが、多分、全部メンバーが違っていたと思う。

黄金期のメンバーとしてスティーヴハウが、リーダー的ポジションらしく。一応MCも担当。
大体、ギタリストは、演奏してナンボという気質の人が多いので、MCといってもぼつぼつ話すだけで、地味なステージングです。このYESにステージングを期待している人は誰もいないでしょうが。
Geoff Downes(Key)はドラマの時のキーボードだっけ。演奏的には、地味な感じでした。そういう演奏キャラの人なのか、最近加入して遠慮しているのか。オールドファンは、やはりウェイクマンの手癖バリバリワンパターンソロが懐かしい。

YESの特徴、ボーカルはまったく馴染みの無い人でした。でも、結構それっぽい感じは出ていて良かったかな。どうしてもアンダーソンに比べられるので、ボーカルは辛いですね。
ドラム。私は、黄金期のサウンドはブラッフォードでなくアランで作り上げられたと思っています。が、どうもアランホワイトに見えない。どう見てもアラフォーだ、アランならもう60歳になっているはずなのに。と思っていると、最後にアンコールを入れて3曲位、アランが交代してたたいてくれました。腰痛でフルに演奏するのが難しく、ツアーはサポートドラマーメインでやっているとのこと。そうだよな、我々だって腰痛持ちは多いのだから、ドラマーが腰痛になるのは何の不思議もないよ。

久しぶりに昔のメンバーを見て感激で涙がうっすら、という感じではなく、自分の世代感に余りにぴったりはまって、感想も現実的になりがちです。でも、そこが良かった。皆色々あったんだよな、きっと。


About to Start..... 2016.11

ステージが暗転、クリススクワイアの追悼ビデオが流れる。ステージ上には白のリッケンバッカー。
ちょっとしんみりした雰囲気になったところでメンバー登場。曲は最後のセットリストにあるように、YESファンなら誰でも知っていてメロディーを口ずさめる曲ばかり。
意外と1曲目の Machine Messiah がパワフルでかっこ良かった。再発見です。
それにしても、このOrchard Hall はとても音響がいい。ホール自体もコンパクトでいいし。

Steve Howe(Gt)は、かつてあこがれ最も好きなギタリストだったので、指が時折もつれて、フレーズがもたつくのを見るのはちょっと辛かった。曲によって、もつれる感があるものと、ピシッと決めてくれた曲と差が大きかったような。どうしてもギターに耳がいって、ミリ単位の演奏ディティールまで気になってしまうからかも知れませんが。
そういえば、自分もギターのタイム感が最近すっきりしない。得意だった16Beatカッティングが、明らかにグルーブしてないと感じる時が結構ある。ハウも同じように悩んでいるのかな。(いやいや、悩んでいるレベルが1万倍位違ます。)

1部が終わって20分のインタールード。
高齢メンバーのためでしょうが、こちらも1時間で休憩が入るのはありがたい。
そういえば、誰も立ち上がらない。私もコンサートでは絶対に立ち上がらないのですが。
(もちろん疲れるから。なぜ席があるのに立たなくてはいけないのかと。)

2部は待ってました『Tales from Topographic Oceans』。
まさか4曲やるのかと思ったら、1曲目、4曲目と3曲目後半のギターソロでした。この選曲はベストだったと思います。先ほど、Steve Howe(Gt)の老いを書いてしまいましたが、ここのアコースティックギターソロは素晴らしいサウンドでした。
そして最後のRitualでやっとアラン登場。ここからアンコールへの流れは期待どおりのものでした。

この歳になって来日してくれるだけでもありがたい、と思っているので、昔と比べてという論評する気はまったくなし。絶頂期のYES SONGSの演奏と比べるほうがナンセンスでしょう。
ただ、私も含めて初期のファンは、YES SONGSの演奏フレーズ1つ1つが頭にこびりついているので、比較する気がなくてもその差に気がついてしまうのが少し寂しいですが。
アンコールの2曲も含め、オールドファンには納得の選曲でした。

久しぶりだったよ、YES‥‥

〈SETLIST〉
Machine Messiah
White Car
Tempus Fugit
I've Seen All Good People
Perpetual Change
And You And I
Heart of The Sunrise

The Revealing Science of God
"Leaves Of Green" Excerpt From "Ancient"
Ritual

[Encore]
Round About
Starship Trooper



Since 2012.9.23
プロフィール

Author:AKISSH
.
休日は、You Tubeで好きな曲を見つけて
コピーしたり、カメラ片手に旅を。
世界中を歩いてみたいよ。
(このブログについて)
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(5th Anniversary)(その2;音源編)
(5th Anniversary)(その3;音源編)

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