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Weekend In 心は L.A.

音楽と楽器、そして時々海外に

 

Mind of J(2010) By John Blackwell もっと聞きたかったよ

最近、うなった曲をご紹介。
John Blackwellの "Mind of J" 。

John Blackwellというドラマー、日本では余り有名でないかも知れませんが、あのプリンスのドラマーを長らく勤めていた方。(といっても、プリンスをほとんど聞かなかったので、私もそのドラミングは良く知りませんでした。)

フュージョン、ブラックコンテンポラリー系をたたかせたら、第1級のドラマーですが、残念ながら、2017年に43歳の若さで死去。もっと幅広く活躍できた人だと思います。


Mind of J(John Blackwell)

この韓国のバンドのカバーに度肝を抜かれました。皆さん若いので、どこかの学生バンドかなと思ったのですが、このタイトな演奏は只者ではない。オリジナルの超1級のリズム隊に比較しても遜色無いし。
(途中の16分で刻む4小節の繰り返しが走っているのはご愛嬌か。)
ツインキーボードもいい。オルガンプレイヤーも気持ちがいい。ピアノプレイヤーは、音色とフレーズがリターントゥフォーエバー時代のチックコリアの影響を受けている気がするのですがどうでしょう?

ともかく録音が非常にいい。動画用の1発撮りではなく、明らかにラインからミキサーを通してのマルチでの録音。動画の演奏は1見ラフですが、非常にカッチリしてます。
韓国のプレイヤー情報はまったく入ってこないので、どなたかご存知の方教えて下さい。

これだけのカバーを聞かせられると、オリジナルはどうなんだと気になります。
オリジナルは「4 Ever Jia」(John Blackwell Project;2010)に収録。
リズム隊が、John Blackwellと Will Lee という黄金コンビで、ベースラインの動きは絶妙です。


John Blackwell - "Mind of J"

ということでオリジナルを紹介しようかと思ったのですが、上のライブバージョンの方がずっと面白いのでこちらに。(オリジナルはもちろん動画が付いてませんから。)
John Blackwellの左手で16分のハイハットを刻むスタイルはいいですね。大好きです。

ただ、完成度という点では、さっきの韓国若手バンドには大分差がありますね。
本人がたたいているのだから、こっちの方が良いだろうというのは慌てすぎ。

この動画、セビージャ(セビリア)の2014年ドラムフェスの画像です。
ステージの状況からみて、ゲストのJohn Blackwellさん1曲お願いします、の特別セッションのはず。
おそらく、Bs,Gt,Keyの3人は譜面を渡されて、合わせは本番前の1回位でしょう。
その証拠に、最初から最後まで3人は、John Blackwellを必死に見て合わせていますから。

1本目の動画は、相当練習を重ねた結果の演奏でしょうから、1発合わせのセッションと完成度を比較するほうがおかしい。こちらは彼のドラミングスタイルを楽しめる動画だということでいいと思います。

16分で細かく刻むフュージョンは、もう食傷気味だったのですが、やはり良いものはいいですね‥‥‥

James By Pat Metheny(1982) Coverしてみた

80年代後期以降のワールドミュージック志向が強くなっていく直前、アメリカンガレージの次作にあたる「Off Ramp」より。アルバムを通して聞くと、結構ダークで幽玄な曲が多いのですが、その中で爽やかさ筆頭なのがこの曲、James。
パーソネルは、Pat Metheny (g), Lyle Mays (p,syn), Steve Rodby (b), Dan Gottlieb (ds), Nana Vasconcelos (per)。

Jamesって、やはり人名だよね?と思っていたら、なんとJames Taylorのこどだとか。
知らない?ジャズの人ではないからなぁ。元祖シンガーソングライターで、フォーク系の方なら、必ず聞いたことがあるでしょう。メセニーとどこかで親交があるのか?

昔々、セッションでこれをピアノソロで演奏した人がいて、こんな曲をコピーしてピアノソロにアレンジしたなんてすごいな、と驚いたのを覚えています。やがて黒本2が発売され Jamesが載っているのを知り、それ以来、自分でも時々弾くようになりました。
カバーというほどのものではありませんが、聞きながら読んで下さい。


Guitar : Ibanez AS 120
Backing Rhythm Track : BIAB
Backing Movie : Baltic Sea From Helsinki To Tallinn ,Finland 2018.8

この曲、やはりメセニーの曲らしく、素直で単純な曲に聞こえるのだけどそうはいかない。
時々セッションでもやるのですが問題ありです。

構成は A-A-B-A と普通の構成なのですが、Aが10小節あって、1コーラスが38小節。
さらにコード進行に 2-5-1が出てこない。ではモード系の Dm7 が延々続くような曲なのかというとこれまた違う。音楽理論に強い方、だれか分析してくれないでしょうか。確かに音を拾っていくと、黒本2のようなコードになるのですが、この進行をみてもどうもピントこないし。

結局、Aがどこで終わったのか、意識してカウントしてないとわかり難い。
セッションでは、当然、演奏前に注意喚起するのですが、ドラムの方が曲を知らないと、テーマはともかくソロパートに入ると、3回に1回は、Aの8小節目でドラムフレーズが入って一瞬終わりかけて、他のメンバーが9,10小節目を弾くと慌てて刻みを再開するということになりがちです。ギターソロが決まらないと、A-Aの20小節での位置がよくわからなくなり、みんながお見合いすることも。

こういう進行のソロパートは、変に自分で考えないで原曲をコピーするという手もありますが、メセニーのフレーズもモーダルというのか今一よくわからない。むしろ、YouTubeで出てくる、ライブの演奏の方が良かったりする。(そもそも、ジャズでソロをコピーしてそのまま弾くのは相当恥ずかしいし。)


Queenstown, New Zealand

もう1つ、メセニーの曲、あるある。
Key=D の曲が結構多い。このJamesもです。
これは、開放弦とそのハーモニクスを使うために意識してやっていると思います。
ハーモニクスは、ギターの場合、特定のフレットで出せるのですが、開放弦の音程から、出しやすい音程は自ずと決まっています。
ハーモニクスを綺麗に響かせるには、曲のキーの9th,3rd,11th,5th,等に鳴るといいのですが、ハーモニクスの音程をずらす訳にはいかない(方法は無くはないけど)。従っておのずと曲のキーが限定される。
特に、9thがピーンと響くのが綺麗でわかりやすいので、Key=Dのギター曲はブリリアントで綺麗です。

どのフレットでどのディグリーのハーモニクスが出せるか覚えておくと、ソロの途中に印象的に入れることが出来ます。少々フュージョンタッチのソロになりますけど。
管中心のオーソドックス曲の、Bb,Eb,Abあたりのキーとは、発想が全然違うのがわかると思います。(これは、私がJazz Guitarを信奉できない理由の1つでもあります。)

今回のカバーは、BIABのスタイル「ボサノバカルテット」で。
オーソドックスなボサノバでやってみました。ソロが行方不明にならないよう、区切りに念のため2-5を入れています。ソロの組み立ては、いまだに良くわからず。
あまりコードにこだわらず、この爽やかな雰囲気を楽しめばいいということにしましょう。


Queenstown, New Zealand

余談。
最初にコピーした時、テーマのコードソロが綺麗だな、コピーしたいなと思ってしばらく聞いていて、あることに気が付いて驚きました。お分かりになったでしょうか。

原曲のテーマ部分、メロディーとコードストロークが、オーバーダビングされています。
それも微妙に音色を変えたギターで(ギター自身は同じだと思います。)。
おそらく、スピーカーでボッと聞いているだけでは気が付かないでしょう。

どうりでコードソロが上手くいかない訳だよ、と納得していると、YouTubeに、ギター1本でコードソロをとっている映像がアップされていた。
皆さん、お上手ですね。参りました‥‥‥

悲しいほどお天気(1979) Coverしてみた コード進行の美しさNo.1

アルバム「悲しいほどお天気」の中では、「丘の上の光」「さまよいの果て波は寄せる」という長尺の曲が好きなのですが、それと並んで彼女の曲の中で1,2を争うくらい好きな曲が、この「悲しいほどお天気」。アルバムタイトルになった彼女の曲の中ではかなり地味な部類の曲かも知れません。

今回のカバーは、曲構成とコード進行はそのままにして、あくまでコード進行の美しさを楽しむようにしました。BIABのスタイルは「スムースジャズアルトサックスソロ」。
大サビはBIABのサックス君にお任せしてみました。以下、聞きながらお読み下さい。


Backing Movie:From Helsinki To Tampere, Finland 2018.8
Guitar: Gibson Les Paul Studio 2004 Oil Finish
Keyboard:Korg Toriton Le
Backing Rhythm Track:BIAB

松任谷由実のことを書くことは、今後も余り無さそうなので、好きなアルバムを書いておきます。
彼女のファンの方からみると、相当変わっていると思います。

ベスト3は、
「悲しいほどお天気」(1979)  (圧倒的1番)
「時のないホテル」(1980)
「紅雀」(1978)

売れなかったアルバムベスト3みたいな感じですが、ライブ映えするポップでゴージャスな乗れる曲、という嗜好がまったく無いのでこういう好みになってしまうのだと思います。(暗い曲が好きなわけではありません。)この時期は、松任谷由実の転換期で、ややダークかつ内省的な作風の時期といわれてます。

松任谷正隆のアレンジが開花したのも、およそこの時期(14番目の月(1978)から、時のないホテル(1980)付近)ではと感じています。一般的には、REINCARNATION(1983) あたりからNo Side(1984)あたりでピークに達して、そこから10年間位絶頂期を続けたという評価でしょうが、私は、海の向こうのフュージョンポップアレンジを積極的に取り入れていった70年代後半のアレンジが、夜明け直前という感じで一番わくわくします。

実は、絶頂期はアルバムとして聞くことはほとんどありませんでした。バブル期に流れてきた彼女の曲は、既にどこにでも転がっている曲とアレンジで(多分、時代が追いついた。)、ワンオブJ-Popとしてしか認知できませんでした。


The Esplanadi Park, Helsinki 2018.8

この曲はともかくメロディとコード進行の関係がものすごく綺麗。極めつけはイントロの9小節です。コピー譜を載せておきます。コードは、ネットを見ると他のコードを付いている方もいますが、私は譜面のようにとりました。

一見してわかるように、b9,#11,#9,13というオルタードテンションたっぷりのコードにC#,D,C#,D,C#~という同型のメロディをのせている。なんだかドビュッシーかストラビンスキーを思い出しそうな流れ。そのコードを表すストリングス部分の音階がよく聞き取れないので、ますます謎めいた展開に。

悲しいほどお天気イントロ

原曲は、テンポ82とかなり遅いのですが、全編に16分の食いリズムを入れていることで余り遅く感じない。BIABは打ち込みでないので、この食いを再現できない。(そもそもコピーするつもりも無いし。)このリズムの仕掛け無しに原曲テンポにすると、若干だれてしまうので、テンポは82から92へとアップしてみました。

冬休みにカバーを作ったのですが、今回は大きく悩みました。
メロディを楽器で弾いてかぶせると、それに気をとられてエレピのコード進行の美しさが映えない(ような気が私はする。)さらにメロディをエレピにするとコード弾きのエレピとぶつかるし、ギターだとガイドメロディっぽくなってしまう。かと言って、Aメロからギターアドリブを重ねて行ったのでは、コード進行を借用した別の曲になってしまう。
結局、リアルギターでなく、シンセギターっぽい音色でメロディを弾くことにしました。
ここは、十分満足している訳ではないので、いつか、別バージョンを作ってみるかもです。

コピーしていると、この曲の浮遊感をもたらしているのは、メロディがMajor7thのロングトーンだったり#11thや9th なのが原因なんだということがわかってきました。(松任谷由実は)自分で歌うつもりなので、どんなメロディも付けられますが、他のボーカリストへ書いた曲なら、こんなメロディ歌えないよと文句が出そうなボーカルラインです。

大サビのところで A ⇒ F長3度下と遠いところに大胆な転調。違和感を感じても不思議はない位なのに不思議と感じない。ドラム、ベースのリズム隊がAメロ、Bメロと余り変わらない動きをしているのも、転調を意識させないためにわざとやっているのではないか。カバーを作成しながらそんな気がしました。

原曲ではうっかり聞き過ごしてしまいそうなコーダ部分。ギターのバックのキーボード。小さなフレーズを重ねて、キラキラしたコード感を出すのに成功している。このアルバムはコーダ部分を凝った曲が多いと思うのですが、どうでしょうか。


The Path In Late Summer, Helsinki 2018.8

完成後、大サビのあとの1箇所、コードコピーの間違いを発見。普通のDAWなら、その部分だけ直せばいいのですが、BIABの場合、リズム隊だけを最初にWavファイル1本に作ってしまい、その上から上物をトラック毎に流し込むので修正不可能。間違い、どこだかわかります?

大好きだったこの曲ですが、ちゃんとコピーして譜面に落としたのは今回が初めて。
この曲、作曲段階で相当こねくりまわしてますね、いい意味で。
旦那様と一緒に、普通っぽく聞こえる凝った曲にしようアルバムタイトル曲だし、と2人で話しているのが聞こえてきそうです。変な言い方ですが、自分がこの曲を好きだった理由が改めてわかりました。

相当凝った曲なのに、曲調はさらっとしている。歌詞は誰もが認める玉川上水を舞台の私小説。

私小説的な地味目な曲、なんていう感想を読んで2人はにやにやしているかも‥‥‥



荒井由実のカバーはこちら
ベルベットイースター(1973) By 荒井由実 Coverしてみた 冬休みの自由研究

ベルベットイースター(1973) By 荒井由実 Coverしてみた 冬休みの自由研究

この冬、松任谷由実の作品がYouTubeで聞けるようになったのを機に、改めて聞きなおしてみました。まさか荒井由実のカバーをするとは思いませんでしたが、まず聞きながら読んで下さい。リズムトラックはいつのもBIABで、スタイルは「カントリースイングペダルスチール」。
この曲の冷たい空気感の再現。原曲は、私は教会の中でのコラールを連想するので、カバーは、アメリカ西部の砂漠の1軒屋の焚き火をイメージしました。


Backing Movie:Helsinki,Finland 2018.8
Guitar: Gibson Les Paul Studio 2004 Oil Finish
Keyboard:Korg Toriton Le
Backing Rhythm Track:BIAB

バリバリジャズの人、あるいはクラシック畑の人が松任谷由実の曲の分析をしているブログ記事を時々みかけます。楽器をやっている人なら、彼女の曲が音楽的に面白いなと思ったことが1度はあるのではないでしょうか。

彼女の曲の魅力は、一言で言えば、お洒落なコード進行とポップスの王道を行った旦那様のアレンジとあの声の取り合わせかと。他のボーカリストに書いた曲は、むしろ純粋に曲の魅力が発揮されてよりわかりやすい。(もちろん、オリジナルにはオリジナルの味があります。)

それから、大人になって気が付きましたが詞も素晴らしい。
私は、ボーカルの曲を真剣に聞いていても、どうしも歌詞よりコード進行やフレーズに耳が行ってしまって歌詞を聞き取れない。このため歌詞で好きになるということはなかったのですが、あらためて聞いてみると、君が死ぬほど好きだとか、夢を追って歩いていこうなんていう、巷のペラペラな歌詞とは、まったくクオリティが違う。1曲1曲が短編小説なんて言われてますが、本当にそう。「セシルの週末」なんてこの歳になって聞いても(この歳だからか?)、ジーンと涙腺が緩んでしまうもの。

彼女の曲との出会いは今でも鮮明に覚えています。
日本のポピュラー音楽なんて、歌謡曲かフォークソング位で聞くに値しないと中高時代ずっと思ってた。大学に入り、一緒にバンドをやっていたジャズ好きの友人の家に泊まりに行った時、「これ聞いたことある?結構いいよ」と貸してくれたのが「ひこうき雲」荒井由実1st。それまでも彼女のヒットチャートの曲は少し聞いたことがあったので、同類だろうと家で聞いてみて驚く。
自分がそれまで聞いていた洋楽とは違うし、馬鹿にしていた日本のポピュラー音楽とも全然違う。これが日本人の音楽を真剣に聴くきっかけでした。
(以上、大学時代の思い出、終了。)


Tampereen Tuomiokirkko Tampere, Finland 2018.8

「きっと言える」なんて、どこにでも転がっている歌謡ポップスかと思うと、Aメロの中でどんどん転調していく。なんだこれはと思っていると、サックスのこれも転調を生かしたソロが入ってくる。(今では驚くほどのことはないかも。でも70年代後半にフュージョン系ポップスが津波のように入ってくる前は、こんな曲とアレンジを思いつけるのは、輸入盤の洋楽を山ほど聴いてきた人しかいなかったはず。)自作の詞にありきたりのコードを付けた曲とはあきらかに違う。相当凝ったことをやっているのに、全体は流れるように自然なタッチでかっこいい。73年の1stの中の1曲だとは驚異的です。

(余談)「返事はいらない」はまったく売れなかったデビュー曲。いかにものアメリカンポップス崩れの曲。これじゃ売れないな。そもそも1stの中で一番荒井由実らしくない曲だし。シングルにこの曲を選んだレコード会社のセンスに驚きです。彼女の曲が理解できなかったのでしょうね。

驚いた曲の1つが「ベルベットイースター」
Aメロは、半音ずつ下がっていくベースの中で同形のメロディが動いていく。
クラシックの対位法がモチーフなのか?シンプルなのだけど、なぜか頭から離れない。
最初の8小節を載せておきます。(前小節からのシンコペーションに注意です。)
この主旋律と伴奏、いいですねー

ベルベットイースター8

サビの EbM7⇒Dm7 という動きでパーッと世界が広がる。歌詞に中々気が回らない自分も「空がとっても低い、天使が降りてきそうな程」って、すごい歌詞だなと感じました。映画の1シーンか?
原曲の空気感が余りに素晴らしく、研ぎ澄まされた冷たさがあります。
このアルバムは後追いでしたが、1973年の発表ってほんとに凄いと思います。

実はコピーして譜面に落としてみたのは、ずっと後でした。Aメロと同じコードだと思っていたBメロ(サビの直後の8小節)が、Key=Cmではなく Key=Gmになっていると知ったのもその時。
サビのバックにオルガンが入っているのを意識したのもこの時。オルガンといっても、70年代末にはやった、ディストーションをかけたりパーカッションを加えたハモンド的音色ではなく、レトロな音色のオルガン。(機種は何だ?) オルガンを入れるとレトロな味わいになる、はっきり言えば古臭くなる。でもそれが絶妙にマッチしている。荒井由実はプロコルハルムが好きだと言っているので、彼女の発案なのか、その話を聞いた松任谷正隆のアイデアなのか。

このアルバム、彼女のブリティッシュ好みと、バックのティンパンアレーの(多分、鈴木茂の)アメリカンポップス嗜好が合ってないという人もいるけど、この曲は明らかに荒井由実テイストでアレンジされ大成功しています。

コーダの前の8小節のインタールード部分もいいなあ。教会の中で聞いているような。
(EPのみの4小節と、荒井由実のスキャット4小節部分。)
ここは、サビと同じく EbM7⇒Dm7 とコードを付けている人もいるようですが、やはりエレピのメロディどおり、Gm/Eb⇒F/D だと思います。(実際は、フレーズを先に思いついているはず。だからコード付けなんてどうでもいい訳ですが。)


Nasiselka Tampere, Finland 2018.8

キーボードでこの曲を弾くと、(当たり前ですが)彼女はこの曲をピアノで作ったのだな、というのがよくわかります。Aメロの音の動きやインタールード部分は、ギターではなかなか思いつかないもの。
そもそもキーボードは、その構造上、自然に分数コードが弾ける楽器。キーボードで左手をオクターブで動かしながら、右手で次々にトライアドを重ねていくという原始的な弾き方がそのまま分数コードになっているとも言える。片手のボイシングはものすごくシンプルなのに、合わさるとフワーッと世界が広がる。いつもの楽器と違う楽器で弾いてみるのは、また違う角度から曲が感じられていいですね。

そういえば、彼女がどこかで「中学生の頃から分数コードの響きに魅せられていた」と言ってました。ずっと心の中で暖めてきたサウンドだったのでしょう。

動画の最初のシーン、麦わら帽子をかぶった少女が街中を走り去っていく姿が、余りに曲にぴったり合って驚きました。

動画を撮っている時には全然気づかなかったよ‥‥‥


松任谷由実のカバーはこちら
悲しいほどお天気(1979) Coverしてみた コード進行の美しさNo.1

Song for Bilbao(1983) By Pat Metheny Cover してみた

メセニーのライブアルバム、Travels (1983)は、グラミー賞を受賞した彼の代表作で、メセニーのアルバムの中でも、グループ初登場の「Pat Metheny Group(1977)」と並んで好きなアルバムです。まさに珠玉の名作といってもいい作品。

今回、やってみたのは、この中の曲「Song for Bilbao」。
Bilbaoとは、スペインのバスク地方のビスケー湾に面した都市の名前。マドリードやバルセロナも良いけど、スペインの田舎町にはものすごく惹かれます。いつか歩いてみたい。
自作のカバーを聞きながら、以下、読んで下さい。


Guitar: Fender Japan TL52-80TX ASH
Keyboard:Korg Toriton Le

カバーはいつものように、BIABでバックを作成。今回のスタイルは「ポップファンク」。
タワーオブパワー風なホーンセクションを入れてみようと、ホーンセクションが入ったスタイルをあちこち検索したのですが、BIABのブラスは、どのスタイルもオフな雰囲気のマイルドな音色なので、ブラスばりばりという感じにならないのが残念なところです。タワーオブパワーとは似ても似つかぬホーンセクションになりましたが、ま、こういうアレンジだということにしましょう。

この曲、初めて聞いた時から好きだったのですが、メセニーのこんな曲、演奏する人なんてめったにいないよね、と思っていたので、黒本No.2にこの曲が載っていたのを見たときは、本当に驚きました。せっかく黒本にあるのでセッションでやったことがありますが、メセニーとも気づかれず、「これ誰の曲?」なんて言われてしまいました。


あしかがフラワーパーク     2018.10

この曲の構成は少し変わっています。28小節で、A-A-B-A。
曲のテンポがかなり速く、オリジナルテーマは、サビの部分を、(付点4分音符*2)×4というリズムで演奏しているため、ちょっと聴くと3拍子には聞こえないのがミソです。

Aは、C7sus4*4,GbM7(#11)*2,C7sus4*2 の8小節。
Bは、3拍子*4小節 という変拍子。(下に譜面を載せました。)



この曲、構成は単純でメロディは綺麗。でもAの部分はちょっと変わったコード付けで、どんなスケールを使おうかと頭をひねるし、サビはこれまたどうしようかと悩む。メセニーの曲は、ジャズ的なカバーは難しいのですが、YouTubeを検索すると色々なバンドが演奏しています。一見シンプルで、フュージョン好きの演奏者を思わず夢中にさせる曲なんでしょう。

YouTubeから、下を紹介しておきます。
Bs.は日本人のフュージョン界で一番好きかもの岡田治郎。ワンナイトセッションということで、おそらくリハ1回程度での演奏だと思いますが、いかにも上手さんの1発セッションという感じで、原曲の枠に忠実にでもその中で遊んでいるという演奏。好きです。
(最初、誰がシンセ弾いているんだと探してしまいました。ギターシンセなんだ。)


Gt.鈴木よしひさ、Bs.岡田治郎、Key.坪口昌恭、Ds.加納樹麻

モード的な曲でのアドリブは、どのコードの時にどんなスケールを使うかを考えておくのが一般的だと思います。2-5-1のようなパターンが使えないので、各スケールでの手持ちフレーズの引き出しを持っていないと、すぐにペンタ的フレーズにたよって単調なソロになってしまいます。

パートA は、C7sus4 は、 C Lydian7th、C Mixolydian。
G♭△7(#11) は、G♭Lydian、D♭Ionian、C locrian あたりが使えそうです。

こういう曲は、あまりごちゃごちゃ頭で考えるより、原曲のソロ部分をコピーして、かっこいいフレーズを仕込んでおくほうが話が早いのですが、メセニーのソロは、(あたりまえですが)常にメセニー節というか、独特のリズムや音色、ダブルストップで、非常にコピーし難い。いいなと思うフレーズをコピーしてみると、音程は意外と普通のスケールだとなる。かといって、それを自分で弾いてみると、全然、メセニーのようにならない。本当にギタリスト泣かせな人です。そこが最大の魅力なんですが。

サビの4小節は、黒本には、オリジナルテーマのコードがそのままとってありますが、ここは一体、どんなことを考えてメセニーは弾いているのでしょうか。我々凡人は、コードに沿った1音ずらしフレーズを弾くくらいしか手がなさそうですが。

たまにはこんな曲を、皆で演奏するのも楽しそうだ‥‥‥

Since 2012.9.23
プロフィール

Author:AKISSH
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世界中の街を歩いてみたいな。
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