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Weekend In 心は L.A.

音楽と楽器、そして海外に

 

Sphere(2017) By Dezolve 若きフュージョン野郎たち


北川翔也(Gt)、友田ジュン(Key)、小栢伸五(Ba)、山本真央樹(Dr)

2016年から5年間に5枚のCD。このCD不況時にキングレコードの力の入れ方は凄い。
自分は、まだ所有CDはこのSPHEREだけで、他はYouTubeでの拾い聞きですが、出では消えのフュージョンバンドと違う感じがする。実は、こういう系のサウンドはだんだん疲れてしまって、最近は聞く機会が少なくなっているのですが、これは聞いてみようという気がしたのです、直感的に。

PRISMやCasiopea,Squareなどを初めて聞いた時に近い感じ。彼らはまだ20代半ば、生まれた時には、あのフュージョンブームは終わっていたのだから、3世代位違うのか。30年後(生きてない?)に「当時は音楽好きな人も、この4人を誰も知らなかったんだよ」なんてなりそうな気がします。

21世紀のバンドらしく、YouTubeの画像はほとんどプロモーション用に上げられています。おそらくキングレコードのプロモーション担当がYouTubeまで担当しているのでしょう。CDが売れなくなって最近はネット上がセールスの主戦場という時代になったのか。まず本アルバムのダイジェスト。(こういうのが聞けるなんていい時代です。しかもオフィシャルの画像。)



First Circle の記事のラストで紹介した、若手の注目筆頭株のギタリスト北川翔也(Gt)は、大学卒業後、このバンドに加入。大学時代から一緒に活動していた小栢伸五(Ba) を含む3人が、卒業を待って北川を引っ張ったのでしょう。

北川翔也は、大学時代のPat Methenyカバーバンド時代の印象が強いのでその時の画像から。
中心メンバーは、2020-0321First Circle の記事のYoutube画像と同じです。
(Vo.が少し残念以外は)この完成度は素晴らしい。

Keyの中野沙紀嬢は可愛い女性で、この動画など中年親父顔で見てしまいますが、在学中から幅広いジャンル活躍していました。私が知るには、このバンド辺りが最硬派だと思います。フレーズを聞くと、相当Lyle Maysをコピーしたなという感じがします。卒業後の消息を余り聞いてないのですが、今どうしているのでしょう、どなたかご存じ?

北川翔也のギターは、2:00頃からのソロの場面を見ると弦へのピックの当て方などメセニーを研究していることがよくわかる。メセニーのギターは、フレーズどうのこうのというより、そのアーティキュレーション、サウンドのコピーが非常に難しいから。
このメセニーバンドでは、北川翔也はほぼメセニーをコピーしているので、本当は、メセニーの曲でどんなオリジナルのソロをとるのかが聞きたかった。彼のレベルであれば、自分でソロを組み立てることが十分できるでしょうから。



小栢伸五(ベース)。”おがや”と読みます。変わった名前ですね。音楽一家に生まれ、中学生まではピアノを弾いてたそうです。スラップからフレットレスから今のテクニックを自然に吸収した技術的にも十分なベース。上手いと言われる(アマ)ベーシストにも、普段は何となくリズムを刻み(もちろん上手ですが)ソロパートになると俄然張り切る方がいますが、自分はなんとなく違和感が。ソロなんかとらなくても上手いベースは、バンドの中心にドカッと居座っているような存在感があり、他のパートは、そのベースの上で安定して遊ばせてもらえる。学生時代、自分がベースをやっていたバンドもあり、こういう感覚は好きでした。ベースが地球の中心だなという感覚。

小栢伸五のベースはテクニカルなソロもとるけれど、全体の下支えを考えているサウンドに好感持てます。Dezolveのような複雑系のサウンドは、ベースまで動くと全体が宇宙に飛んでいってしまうので。
Dezolve結成までは、プロ歴はそれほど無いのか、著名ミュージシャンのバックで弾いている場面はあまり知りません。(私が知らないだけかも。)それまでは北川翔也と一緒の機会が多かったのかな。

彼のベースサウンドを知るための1曲。Good Job!



ドラマーの山本真央樹(dr)のドラムは相当凄い、久しぶりに凄いと思うドラマーです。ライブで是非聞いてみたい。CDでは、スリップビートを多用したテクニカルなドラマーという印象が強いですが、手数が多いとか、変拍子に強いなんていうのはドラマーの一面に過ぎない。
ドラマーの山本真央樹(dr)は、なんとBOWWOWの山本恭司さんのご子息とのこと。なんだ、親の七光りかと思うと、まったく逆で、プロフィール欄にも無く、メンバー紹介の際にも一言も触れず。実は私もそのことを知ったのは相当後のことでした。親の名前で勝負するなんて死んでもいやだ、という硬派な奴なんでしょう。こういうのはいいね。

彼のドラミングがよくわかる画像を貼り付けます。安定感、タイム感、パワー、どれをとってもプロ並み。というかすでにプロレベル。この画像、18歳の時のものだと思うので心底凄い。オープンハンドスタイルでたたいていて興味深いと思ったら、ここではクローズドスタイルの感じも。動画でみると右利きのようですから、どちらでもこいの2Wayスタイルか。バークリーから帰ってからは、若くして幅広くスタジオやライブの仕事をしていたようです。どこまで行くのか末恐ろしい。

前にスクエアの安藤まさひろの学生時代を書きましたが、山本真央樹を聞いて、元カシオペアの神保彰が大学生の時、慶応大学の学祭で、ライト(ビッグバンド)のドラムを叩いていたの聞いたのを思い出しました。あの時は10m位吹っ飛んだよ。ともかくビッグバンドをきいたのだけど、帰り道、神保彰(当時は名前を知らなかった)のドラムしか記憶になかったもの。(同じ学祭で、自分も演奏していたなんて恥ずかしくて穴にはいりたい。)



キーボードの友田ジュン(key)は、コードワークがいい感じだなあと思っていたら、ライルメイズに強い影響を受けたと言っているので、なるほどと思いました。
奏法自体はまだよくわかりません。誰か解説してくださいな。

久々の注目株ということを前提に少し気になることを。今のミュージシャンらしく技術レベルも高くなんでもできてしまう。その結果、色々なものを詰め込めば詰め込むほど、曲が似てきてしまう恐れがある。
〇〇と▽▽のメロディーが似ているということでなく、ともかく、綺麗なメロディー、細かいビート、スリップのようなトリック部分、コンサバな部分、すべて1曲に盛り付けられると、朝、昼、晩、いつもフランス料理フルコースが出てくるような感じになってしまう。そんな風にならないでほしい。

PRISMやCasiopea,Squareなどが受け入れられた原因は、テクニックの中にもシンプルな美しさがあったからでしょう。その後、80~90年代に、雨後の竹の子のようにフュージョンバンドが出てきたけど「難しいことをやるのが偉い、どうだまいったか」という袋小路に入っていって、最後は誰も振り向かなくなってしまったような。そうならないことを切に願います。

残念だったのは、この3月30日にDezolveのライブがあって聞きに行く予定だったのですが、コロナ禍でさすがに中止。次の機会のライブを見に行きたいと思います。

CD買って聞きたいと思ったのは、久しぶりかも‥‥‥

David T. Walker(1971)、Press On(1973)、On Love(1976)


左より David T. Walker、Press On、On Love

1941年6月25日生まれ、1週間前になんと齢78歳の誕生日を迎えたデヴィ爺ことDavid T. Walker。
初アルバム「SideWalk」が1968年発表なので、そこから数えても51年間現役ギタリストとして活躍しているのは驚異的。

名盤をあげていったらきりが無いのですが、やっぱり
『David T. Walker』(1971)
『Press On』(1973)
『On Love』(1976)
の初期 Ode3部作が原点だと思います。

『David T. Walker』(1971)を入手した当時は、アルバム名から、これがてっきり初アルバムかと思っていたのですが、後から調べて、4th,5th,6thということを知りました。サウンドアレンジはいかにも70年代初期のソウルで、最近聞かせてくれるような洗練されたサウンドとはかなり違いますが、ギターの音の暖かさは今も昔も少しも変わってない。

ギター歴の割りにリーダーアルバムが少ない(といっても、Wikiによれば15枚。)。圧倒的にレコーディングやライブに呼ばれる場面が多く、決して弾きまくるタイプでないのに存在感が凄いという、いぶし銀を地で行っているようなギタリストだと思います。こんなミュージシャンっていいなあ。



70歳近くなって、突然、あのDREAMS COME TRUEのサポートをやって、関係者を驚かせたかと思うと、ドリカムの縁で余程、日本が気にいったのか、それ以来ブルーノートを中心に毎年ライブをやってくれるように。

70歳になって、日本に来るだけだって大変なことでしょう。(旅行好きの自分も、さすがに70歳を超えてアメリカ旅行するのは自信がありません。エコノミークラスならもう行かないかな、きっと。)
その歳で東京、大阪と何ステージも公演してくれるだけで感謝。私も、何度も聞きに行きましたが、デビ爺のライブは、何百人、何千人のホールではなく、小規模なライブハウスでじっくり耳を傾けるのが一番似合っている。家族で聞きに行った、数少ないライブの1つでもあります。

デビ爺のギターは、今は、歌伴からボサノバ、バラード、ブルース、ポップ(とでも言うのか?)など広角で聞かせてくれますが、初期3部作を聞くと、相当ファンキーなギターだったりします。速弾きやディスト―ションでたたみかけるようなフレーズはほとんどなく、GibsonのBirdland(当時)で1音1音聞かせてくれるようなサウンドがいい。


Guitar Magazine 2019.7号

さてなぜ、急にデビ爺のことを書いたのか。
帰り道に、本屋でGuitar Magazine 2019.7号を見つけてしまったから。
最近の「田舎の優しいじいちゃん」の外見イメージが余りに強いので、表紙を見たとき、一瞬誰?と10秒位考え、まさかと本を手に取ったのがきっかけ。ピックのグリップが今とまったく変わって無いので気が付きました。

Gマガでは”インストソウル”とありましたが、この際ジャンル名なんてどうでもいいか。
3枚のアルバムから1曲づつコピー譜が載っているのは、Gマガのお約束。

いつものように譜面を載せようかと思ったのですが、Ode3部作を聞いていたら、まったりしてしてどうでもよくなってしまった。今日は時間がないけど、そのうち1曲アレンジしたのを弾いてアップしよう。

実は、このブログの一番最初の記事(2012.9.23)は、デビ爺がマリーナショウと、あの『Who Is This Bitch, Anyway?』アルバムからのライブレポートでした。このブログの原点でもあったんだ。

まだまだライブ記事を書けるように、デビ爺には弾き続けて欲しいよ‥‥‥

Chicagovich(2017) By Leonid & Friends 東側から来た男達(2)驚異的なサウンド

Leonid & Friends の第2回はサウンド面から。
メンバーを見ると、同じ楽器がダブっているのがわかります。
ギターが3人、ベースが2人、キーボードが2人。ボーカルはメインボーカルをとる人が4人位いて曲によって歌い分けている。シカゴの魅力の1つは、それぞれに個性のあるボーカリストがいること。初期なら、ロバート・ラム、ピーター・セテラ、テリー・キャスの3人。上手さでは前2者にひけをとるけど、テリー・キャスのあの無骨なボーカルが結構好きです。

トロンボーン2人、トランペット類3人、サックス5人。
サックスはテナー、アルトに加えバリトンもいるし、さらに驚くべきはホルンまで。(YouTubeで見る限りソプラノを吹いている人はいなかった。)曲によっては3声のサックスに、Tp,Tb,BTb(バストロ)と目茶目茶ゴージャスな編成の時もあります。ボルヴィエフ(Vorobyev)はアレンジは本職のようなので、ブラスアレンジはオリジナルを超えて楽しんでいるのでしょう。日本でも、テナーとフルートを持ち替えて演奏する人はいるけど、相当ゴージャスな管のメンバーです。


New York Times Square 2017.8

おそらく21名という編成は、オリジナルシカゴのように、固定メンバーで活動する普通のバンド形態ではなく、リーダーのボルヴィエフ(Vorobyev)が、シカゴの曲を録音するために音楽仲間を招集し、その時点の各人の都合(あるいは曲と楽器アレンジ)で曲ごとにメンバーを編成をしているのが原因なのではと想像します。
特に管のメンバーはどうみてもアマチュアではなさそう。出音のピッチの正確さはクラシックプレイヤー並だ。ロシアにビッグバンドがどの程度あるのかわかりませんが。いや、チャイコフスキーからの音楽文化の国ですから、普段はオーケストラで演奏してます、なんて人もいそうだな。

大人数編成になると、スタジオでの練習1つでも大変な手間になってくるので、ライブに向けて曲ごとに違ったメンバーで練習するなど考えにくいし、ライブ会場に21人で入り曲ごとに奏者がステージに出入りするなどまず考えられない。
ライブ活動のメンバー(YouTubeの動画が4つ位あります。)とスタジオ録音時の拡張メンバーが存在するのではないか、というのが今のところの推測です。ただ、ライブの管のメンバーは必ずしも固定していない感じです。ローテーションを組んでやっているのか、もう少し研究が必要です。

おっと、紅一点のKsenia(Kesenonaは通称か?)を忘れてはいけない。まさに正統派ロシア美人。
ボーカルも上手ですが、あまりに美人なので彼女が動画に写るとサウンドどころではなくなりますね。


New York Union Square 2017.8

CD Chicagovich は、ほとんどが初期レパートリーの有名曲をカバーしているので、おのずと初期メンバーのサウンドが中心となります。CDの全ての曲をオリジナルと聞き比べた訳ではありませんが、そのコピー度は驚くほど完ぺきです。

まず、ドラムとベースがほぼ完コピ状態。ドラムはロールやパラディドルなどの細かいフレーズ(というより、シカゴのオリジナルメンバー Daniel Seraphineの手癖)をそのまま再現しているのは、相当シカゴ愛が強いんだろうなと想像します。オリジナルドラマーを上回る技術をもった現代のドラマーが完コピしているので、リズムがタイトで聞いていて本当に気持ちがいい。

ボルヴィエフ(Vorobyev)のベースも完コピに相当こだわっていますね。
完コピというと、ソミドというフレーズをソミドと弾くことが完コピだと思っている方がいたら、それはちょっと違うよといいたい。ギターやベースならその音を何弦で弾いているか、弦の太さは、さらにどんな音質で弾いているかを追求していくのが完コピです。

例えば、Beginnings。(すいません、いきなりCD Chicagovichに無い曲をあげてしまった。これは2018.4時点で最新のYoutube音源です。2ndCDに入るのかな?)



ピーターセテラは、概ねフェンダープレシジョンベースを使っていましたが、初期のアルバムを聴くと、なぜかサスティンの短いボンボン、ポンポンという軽いベースサウンドになっている。プレベを普通に弾けばかなりサスティンの長いズーンという音質のはずだが、まるでヘフナーの箱ベースのような音。いくら録音が古いと言っても、こんな音にしか録音出来ない訳はない。考えられることとしては、ピーターがこういう音質のベースサウンドを好きで、右手(ひょっとすると左手)でミュートしながら弾く癖があったのではないか。この世代だと、1960年代のポップスを聞いて育ったので、あながち不思議ではない。このベース音の極めがBeginnings。オリジナルを聞けばすぐにわかります。

これをそのとおりの音質でコピーしていた。しかもプレシジョンベースで!
これはもしかすると‥‥YouTubeを見るとやはり想像どおりでした。

ボルヴィエフ(Vorobyev)の Beginnings でのベースプレイというかベースを見て下さい。
ベースのナット部分をよく見ると、変なものが巻き付いているのが見えませんか?
これは、テニスの時に腕に巻きつける汗とり用のリストバンドのようなものです。(テニス用よりもっと幅が狭いですが。)これをつけると、弦がナットのところで軽くミュートされてサスティンが短くなり、結果としてボンボンというベース音になります。

何でこんなことするのか?実は今でもやっている人はいます。(私もやったことがあります。)
4beatのジャズスタンダードやバラードなどでベースを弾く時、エレべだとサスティンが長くサウンドが強すぎて、生ベの音と異なり過ぎてしまう。このためアコベに似せるためにこういう細工をするわけです。もちろん、その場で生ベを弾ければそれがベストです。あくまでエレべ1本しか現場に持っていけないときの緊急避難です。


New York Lexington Ave. 2017.8

ここまで音質コピーに拘っているなんて、さすがだなと思うのですがいかがでしょう。まだまだじっくり聞くと「こんなところまで完コピかよ。」という部分が段々発見できます。
一言お断りを。完コピが素晴らしい、コピー度が低い演奏は大したことないとは思いません。私はむしろ逆で、今は完コピにそれほど価値を見出さないほうです。でも徹底的に拘るのも聞いていて気持ちいい。
曲によっては、管のフレーズを変えたり、弦を入れたりと必ずしもすべてが完コピにこだわっているわけでないのが、また興味深いところですが。

ボルヴィエフ(Vorobyev)の気持ちを想像するに、
「青春時代、シカゴのアルバム1枚手に入れるのも困難だったソ連。ライブはおろかラジオでも聞いたことがないシカゴ。少年時代を思い出しながら、自由に海外旅行が出来る今、自分の音楽人生のやり残した夢として、シカゴを管を含めて究極の完コピするぞ!」
という気持ちが痛いほど伝わってくるのです。レコードに穴が開くどころか、CDに穴が開くほど聞いたのでは?

ロシアのロック野郎、想像以上に凄いよ‥‥‥

Chicagovich(2017) By Leonid & Friends 東側から来た男達(1)

Chicagovich(2017) By Leonid & Friends 東側から来た男達(1)

シカゴのNew CDに注目と言っても、あのロバートラムがまた道楽で作ったのかとスルーしそうになりましたが、いやいやとんでもないものを発見しました。「Leonid & Friends」のカバーアルバム。



Make Me Smile
25 or 6 to 4
Wishing You Were Here
Saturday in the Park
What's This World Coming To?
Brand New Love Affair, Pt. 1 & 2
Does Anybody Really Know What Time It Is?
Woman Don't Want to Love Me
Color My World
Hot Streets
Old Days
[全11曲]

音を聞く前にメンバー一覧をみて下さい、特にカッコの中を。

【メンバー一覧】
Leonid Vorobyev(レオニード・ヴォルヴィエフ) Bass, All Producing & Director
Vasilii Akimov(ヴァシリィ・アキモフ) Vocal,Guitar
Igor Javad-Zade(イゴール・ジャバドザード) Drums
Sergey Kashirin(セルゲイ・カシーリン) Vocal, Guitar
Serge Tiagniryadno (Kiev, Ukraine)(サージ・ティアギリヤード) Vocal, Guitar
Vlad Senchillo(ヴァルド・センチーロ) keyboards
Dmitry Maximov(ドミトリー・マキシモフ) Bass
Ksenia Buzina(クセニア・ヴィジーナ) Backing Vocal....Kesenona
Vladimir Osinsky(ウラディミール・オシンスキー) Piano
Ilya Vymenits(イリヤ・ヴィメニッツ) Percussion

Vladimit Popov(ウラディミッツ・ポポフ) Alto & Baritone Sax,Flute
Alexandr Michurin(アレクサンダー・ミテューリン) Trombone
Alexey Batychenko(アレクセイ・バティエンコ) Trumpet,Flugelhorn
Konstantin Gorshkov(コンスタンティン・ゴルシコフ) Sax
Maxim Likhachev(マキシム・ライカチェフ) Trombone
Andrey Zyl(アンドレイ・ザイール) Trumpet
Oleg Kudryavtsev(オルガ・クデュラフチェフ) Sax
Arkady Shilkloper(アルカディ・シルクロウペ) French Horn
Igor Butman(イゴール・バットマン) Sax
Ilya Prokudin(イリア・プロクディン) Flugelhorn
Daniil Dubrovsky(ダニール・デュブロフスキー) Sax
[全21名 うちホーンセクション11名]

名前を見たらすぐにわかったでしょ、イゴール、アレクセイ、セルゲイ、ウラディミール‥‥
Leonido & Friendはモスクワで活動するロックバンド。だから記事タイトルは「東側から来た男達」
シカゴは長年の活躍でファンも多く、世界中にカバーバンドがいるらしいですが、ロシアのカバーバンドは初めてじゃないのか。しかも、その演奏力が驚異的にして桁違いの素晴らしさ。日本ではほとんど知られてないので、ぜひ紹介したいと思います。

(追記) Leonido & Friendは、Leonid Vorobyevがモスクワでスタジオミュージシャンを集めて、2014年に結成されたとのことです。


Leonid & Friends at Moscow Music Club "Forte" 24.03.2017

Leonid & Friendsは、Leonid Vorobyev(レオニード・ヴォルヴィエフ) がリーダーのバンドで、担当楽器の人が複数いるとこを見ると、ロシアのポピュラー音楽界で活躍しているメンバーをこのために集めて、ライブ活動の末、CDを発表したようです。
演奏はどうみてもアマチュアの域を超えているし、YouTubeのスタジオ収録の様子も明らかにプロ仕様です。この人たちはロシアのポピュラー音楽界で有名な人なのか(ブラスセクションはもしかするとクラシック出身?)ともかく、ロシアの事情がまったくわからないので想像するしかないのですが。

Leonid & Friendsには公式 WebSiteがある。(英語ですが、ロシア語でないことに感謝しましょう。)
読むことも難しくないですが、この素晴らしいバンドを紹介するために意訳翻訳してみました。

[Leonid & Friends WebSite About > Biography より]
Leonid & Friendsは、ここ3年の間にロックファンの絶大な支持を得た。彼らはシカゴのライブを1度も見たことが無いにも関わらず、その複雑なアレンジを驚くべき正確さで再現したのだった。

リーダーのボルヴィエフ(Vorobyev)は言う。
「シカゴは一度もロシアに来たことが無かったので、我々はアルバムの音声記録だけを基にシカゴの曲を演奏しなければならなかった。僕はブラスロックだけに夢中になった訳ではなく、かつてビートルズ、CCR,ディープパープル、GFRのギターサウンドに夢中になったよ。」
「ソ連の1970年代はじめには、エレキギターやアンプは中々手に入らず、自分たちで作って演奏する必要があった。金管奏者と演奏をしたこともあったけど、彼らはいつも飲んだくれていてロックのなんたるかも理解せず最悪の経験だったよ。でもシカゴを聞いたとき、ブラスセクションと一体となったエレキギターやドラムやボーカルのサウンドは、僕を一瞬にして虜にした。」

ボルヴィエフ(Vorobyev)は、2014年に大好きなシカゴの曲(Brand New Love Affair)を演奏し動画を作成するために音楽仲間を招集した。もちろん譜面などなかったのですべてが耳コピー。各曲を正確に再現するのは大変な苦労で、ボルヴィエフ(Vorobyev)は耳コピーで各曲を譜面上に再現するだけでなく、演奏のディレクターからスタジオでのミキシングやマスタリングすべてを統括した。でも、彼はなによりバンド仲間を信頼していて、自分の音楽仲間全員を最高レベルのプロだと言っている。モスクワでのライブは大好評で、今、Leonid & Friendsはアメリカでのシカゴの絶大な声援に注目している。

「アメリカのシカゴファンからの膨大な量のライブ要請がある。アメリカのファンの前で演奏することは、ロシアの音楽家にとって夢なんだ。多くのアメリカの友人に会うことを想像するだけで興奮するよ。」ボルヴィエフ(Vorobyev)は語っている。

       Scott Schwebke記(アメリカのジャーナリストにしてシカゴの大ファン)

Leonido  Friend2

肝心の演奏については、次回、書いてみたいと思います。YouTubeの動画を1つアップしておきますが、この断片的な演奏を聞いただけでも、その演奏力は一目瞭然でしょう。

何が興味深いって、1980年代以降のファンはピンと来ないかも知れませんが、本家シカゴが誕生したのは1969年、つまりベトナム戦争が泥沼に入りつつある時期で、アメリカ人がこの戦争はとんでもないことになるのではないかと気が付き始めた頃。そのベトナム戦争の泥沼に引きずり込まれた原因は、ソ連との地球を2分する冷戦。
そんな時、大人にはアメリカの将来を任せられないと若者が立ち上がったのですが、その中の1団がシカゴでした。(初期の曲には、ニクソン大統領や民主党大会などの政治的メッセージフレーズが頻繁に登場します。)アメリカを泥沼に引きずり込んだ悪魔が「ソ連」だったのですから。

ロシア(ソ連)のバンドが、シカゴの曲をアメリカで演奏する日が来るなんて。
その場で聞いてみたいよ、シカゴのスタートを知る人間には感激の瞬間だ‥‥‥

Chicagovich(2017) By Leonid & Friends 東側から来た男達(2)驚異的なサウンド

ロータスの伝説(1974) By Santana クロスオーバー期の最高傑作だったのか?



[Member]
Carlos Santana : guitar, Latin percussion
Leon Thomas : maracas, vocals
Tom Coster : Hammond organ, electric piano, Yamaha organ
Richard Kermode : Hammond organ, electric piano
Doug Rauch : bass
Armando Peraza : congas, bongos, Latin percussion
Jose "Chepito" Areas : timbales, congas, Latin percussion
Michael Shrieve : drums, latin percussion

3枚組という内容に加え、横尾忠則のデザインしたLP22面ジャケットは、広げると四畳半一杯に広がるという都市伝説まで作ったこのアルバム。この時代は、プログレ全盛期ということもあり、曲は長いほうが偉い、LPは曲が少ないほど偉い、ジャケットはオマケが沢山付いている方が偉い、レスポールは重いほうが偉い、という重厚長大、戦艦大和か万里の頂上のような価値観がロック界を支配していた時代でした。このアルバムは、そんな時代のど真ん中でリリースされたもので、今でもサンタナのライブアルバムと言えば、これが代表作なのは間違いないでしょう。

Caravan Sarai、Welcome、Borborettaの3部作の仕上げのようなこのアルバムは、1973年7月の日本公演の録音で、メンバーはWelcomeとまったく同じ。サンタナ史上一番のテクニカルベーシスト Doug Rouch が抜けたのが1973年末ですから、Welcome発表からの1年間がサンタナ史上最強のメンバーだったと信じています。

サンタナのメンバーチェンジは、Carlos Santanaの実現したいサウンドに合うメンバーをリクルートする過程で、首になったか本人が嫌気がさしたというパターンが多いのですが、Doug Rouch は脱退直後、Billy CobhamやLenny Whiteなどとバリバリのフュージョンアルバムを作っていることを考えると、本人がロックバンドに飽き足らず、本格ジャズフュージョンの世界を志向したためと想像します。
この時 Doug Rouch は24歳。28歳でその人生を終えたのは本当に残念。その後、20年以上第1線で活躍できたベースプレイヤーだったと思います。


Backstreet in Shanghai (1) 2012.8

今回、記事を書くにあたって面白いことを発見しました。
ロータスツアー日本公演の様子がYouTubeにアップされています。「SANTANA Lotus Tour Japan 1973 ①②③」は3本で67分という貴重な映像音源。30分のTV番組3回分という結構なボリューム。
CDを聞いただけでは、2人のキーボードのうちどちらがどのフレーズを弾いているのかはっきりわかり難くていらいらするのですが、この映像をみると2人の分担がはっきりわかって非常に興味深い。
(こんなことを気にするのは私位か?)
Doug Rouchの演奏映像も、今となっては非常に貴重です。

今回、聞きなおすまで、私はてっきりこの映像がCD「ロータスの伝説」の映像版だと思い込んでました。が、違っていました。つまり大阪厚生年金会館(7/3-4)の映像ではなかった。
よく聞き比べれば違いがわかります、と言いたいところですが、曲順が異なるのですぐにわかります。
(CDは2曲目のA-1 FunkからEvery Step of the Wayですが、映像はStone Flowerだとか。)

いったい、このYouTube映像はいつのものなのか。1973年のロータスツアー日本公演は、6/27の東京公演を皮切りに、7/11の札幌公演まで11回行われているので、このうちのどれかには違いないはず。
ライブツアーをCDにする場合、それぞれの曲について出来のいい演奏を11回の公演からピックアップすることが多いのですが、サンタナの場合は、CDはあくまで大阪厚生年金会館(7/3-4)の演奏だし、YouTube映像も明らかにどこか特定の1公演のようです。
(これは、録音状態の都合か、Carlos Santanaのポリシーか。)

そう思ってもう一度YouTube映像をじっくり見ると、さらに不思議なことが。サンタナはかなりラフな感じで弾いているし、観客やライブステージの熱気感がまったく感じられない。これ本当にロータスツアーの公演映像なのか?見れば見るほどスタジオライブのような感じがしてきました。人気絶頂のサンタナのライブ映像を流したいという日本のTV局のオファーに、日本公演のライブは駄目だけど、USAで収録したスタジオライブの映像ならいいよ、ということでサンタナマネージメント側から提供があったのではないか?(今で言うPV。)というのが、私の推測です。皆さんはどう思います?

今回、20年ぶり位にロータスの伝説を(加えてYouTube映像3本を)通して聞きました。ともかく長尺なので、前回、通しで聞いた記憶が残っていません。意外だったのは、この2つの音源とこれまでのオリジナルをじっくり聞いてみると、CDロータスの伝説の演奏内容が、結構ラフな感じを受けたことです。(例えば、このツアーの山場である、最後の曲”Incident At Neshabur”とか。)原因の一つは、メンバーになってまだ浅いTom Costerのプレイにちょっと違和感を感じるような、音色の選択も含めて。Tom Costerは、演奏、アレンジを含めて大好きなのですが、Gregg Rolieと違う色を出したいという本人の意識がやや空回りしたかな。もともと全然違うタイプだし。
今までサンタナの最高のメンバーによる最高の演奏結果の記録が、CD「ロータスの伝説」だと思い込んでいたので驚きでした。
でも、ミスが少なくきっちりしているのが一番いい演奏という訳でもないですし、一番勢いのあるステージをアルバムに焼き付けたのでしょう、きっと‥‥


Backstreet in Shanghai (2) 2012.8

さて、前回に続いて、サンタナ関連の素晴らしいブログのご紹介を。
どれも、この時期のサンタナにスポットライトを当てた、興味深い記事です。

★Chord of Life
(柊しじまさん)
Santana – Caravanserai(Side.A)

私のLink集に入れさせてもらっている方。
古今のロックの名曲を、Cubaseで打ち込んでアップされているのですが、何が凄いってそのコピーの精度には脱帽ものです。
私も、昔から色々とコピーをしてきましたが、メインメロディとコード位はなんとか聞き取っても、バックのシンセパッドとかは音程が聞き取れないものも多いし、昔のロックはそもそも録音が悪くて想像で音符を埋めざるを得ないパートも多いのに。さらに、YesとかKingCrimsonの20分以上の曲のすべての楽器をコピーしてアップしている。ほんとに驚異的です。
自分で弾いているギターも相当の腕ですし、恐らくキーボードもバリバリに弾けるはずです。
サンタナの曲も10曲アップされているので、全部聞いて見てください。
CaravanseraiのSide.A通しという信じられないものに、とりあえずリンクさせて頂きます。

サンタナ評としては、
>巷のサンタナの紹介記事はサンタナは次第に宗教色を強め、Caravanserai、Welcome、Borboletta
>の3枚はジャズに傾倒し人気を落としたが、1976年のAmigosで再びラテンロックに戻り‥‥復活した
>ということになっています。
>う~む、僕はそのジャズに傾倒していた頃が好きなんですが・・・(宗教色には目をつぶります。)
>時期的にはプログレ全盛期。

このあたりは、私を含めインスト系好きな今回の一連のブログ作者さん達と、まったく共通してます。

★灰とダイアモンドと月の裏側の世界
(風呂井戸さん)
サンタナ SANTANA の衝撃(3) 「キャラバンサライ」からの新展開

今はJAZZを中心に聞かれているようですが、ペンネームからわかるようにロック、とりわけプログレ方面にも非常に詳しい方。ロックのインスト部分に魅せられた人は、プログレ経由でフュージョン、ジャズというのが正常進化形なんでしょうか。ここに書かれている風呂井戸評サンタナは、私の感想と非常に近似です。Borbolettaを高く評価しているのも興味深い。

★「熱闘」のあとでひといき
(?さん)
サンタナ&マクラフリン『至上の愛』/断絶の時代に聴く対話の奥義
(2つ目の記事です。)

次の記述には笑いました。その通りだと思いますが。
>(サンタナが)もっとも人気がなかったのは? 私的にはこの作品『不死蝶』(ポルトガル語のタイトルは “Borboretta” )をリリースした70年代中盤頃ではないかと思う。

しかし、次のようにも言っています。
>現代の感覚で聴くと違った印象を抱くことになるから面白い。
>もしかしたら、歴代のサンタナの作品の中でも最高レベルの充実した作品にすら思えてくる。
>もしもサックスがウェイン・ショーターだったら文句なしの作品になっただろう。

1973年の日本公演、行きたかったな。当時よりも今、痛切に思うよ‥‥

Caravan Serai(1972) By Santana 絶頂期の始まり
Welcome(1973) By Santana 異色作にしてMost Favorite One
Borboretta(1974) By Santana ラテンフュージョン3部作の終り
Since 2012.9.23
プロフィール

Author:AKISSH
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You Tubeで好きな曲を見つけコピーしたり、
地図とカメラ片手に旅を。
世界中の街を歩いてみたいな。
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