Weekend In 心は L.A.

音楽と楽器、そして時々海外に

 

Welcome(1973) By Santana 異色作にしてMost Favorite One




Carlos Santana : Guitar, Vocal
Doug Rouch : Bass
Michael Shrieve : Drums
Tom Coster : Keyboards (新)
Richard Kermode : Keyboards (新)
Armand Peraza : Percussion
Jose Chepito Areas : Timbales, Percussion
Leon Thomas : Vocal

Flora Purim : Vocal
John McLaughlin : Guitar
Joe Farrel : Flute
Jules Brossard : Soprano Sax
Tony Smith : Drums
Wendy Haas : Vocal

大幅にサウンドをチェンジして、当時のプログレッシブロック演奏重視、大作指向という方向を極めた4th Caravansarai は大ヒットし、数年後にやってくるJazzとRockの融合クロスオーバー路線を先取り。(今から考えれば、このアルバムが時代を作っていったのか。)
この 5th Welcome(1973)は、前作の延長上にあるとはいえ、プログレッシブロック的要素は影をひそめ、Jazz,Latin,Samba,Bosanovaという、クロスオーバー系のサウンドを全面に出しています。また、Leon Thomasのボーカルに代表されるように、ともかくブラックミュージックのソウルフルな香りがプンプン。サンタナの長い歴史の中でも一番左寄り?に触れたサウンドは、間違いなく異色作でしょう。


Arab Street Singapore 2013

Caravansaraiの成功に気をよくしたCarlosは、その方向性をさらに追及。ついて行けなくなったそれまでの中心メンバー2人が脱退。特にオルガンのGregg Rolieは、1st~3rdのラテン高温多湿サウンドの中心人物だったので、必然的にサウンドカラーはガラッと変わらざるを得ませんでした。サウンドをよりジャズ方面に転向させるためか、ツインギターからツインキーボードへ変更し、Tom Costerと Richard Kermodeという2人のキーボードプレイヤーを加入させました。特にTom Costerは、これから長きに渡りサンタナサウンドを支えたキーマン。演奏と作曲、アレンジの才は今聞いても凄いと思います。

さらに言えば、素晴らしいのがリズム隊。特にドラマーMichael Shrieveは1stからのメンバーで、どんどんスタイルを膨らましていった器用なドラマー。サンタナが世界に初登場したウッドストックで、皆がびっくりしたサンタナサウンドの中で、サンタナを食うくらいのドラマーが彼、若干19歳。
ウッドストックの映像はもちろん後追いで確認しましたが、これは驚きました。若かっただけに時代の流れのなかでラテン以外の音楽をどんどん吸収していったのでしょう。ベースDoug Rouchは前作からの参加で本作で脱退とサンタナ史の中では一瞬だったけど、うねるベースラインの中で隠し味のスラップをかます、おそらくとっても器用なベーシストだと思います。この時代はさすがに録音が良くないので、ベースの分離が悪く、気をつけて聞かないと良くわかりませんが。
それにしても、これ以降もひっきりなしにメンバーの出入りが続き、イエスやキングクリムゾンのように、系譜表でも作らないととても把握出来ません。何度も出戻りを繰り返した人まで出てきて。

サンタナの頻繁なメンバーチェンジの原因。以下は私の勝手な想像ですが。
Carlosは、見た目は典型的ロック野郎ですが、バンドメンバーが共同してサウンドを作り上げようというアプローチでなく、実現したいサウンドがあってそれに一番マッチするメンバーを集めるという、ロックと真逆のアプローチをする人だったのではないか。
有名になりつつあるゲストを曲ごとに呼んで作ったサウンドは、いかにもCarlosです。
5曲目はなんとフローラプリム(Retern To Forever)が歌っているし、8曲目Flame Skyは、John McLaughlinとツインギターを弾いている。


Sentosa Island Singapore 2013

サンタナの中でこのアルバムが一番好きなんて、変じゃない?
とサンタナファンに言われそうですが、自分でもまったくそのとおりだと思います。当時サンタナを聞いていた層は、1st以来のロックバンドと思って聞いていた、レッドツッペリン、ジェフベック、シカゴ辺りのリスナーと重複していたでしょうから、Leon ThomasやTom Costerのサウンドは、全然ピンと来ないよ位の感じだったのでしょう。(当時のロックファンには、このアルバムは酷評というより無視されたような。)私は、この辺りから、インスト、フュージョン、ブラック系サウンドに入り込み、2度と普通のロック?に回帰せず今を迎える訳ですが。
21世紀の今、あちこちのブログでサンタナの記述を読むと、不思議と4th~6thの評価が高いのですが、恐らくジャズ、フュージョンファンが再評価しているのだと思います。(自分が読むのが、そのあたりのブログが多いので。)

4th Caravansaraiのようにロック史には残らないかもしれませんが、前作のような研ぎ澄まされたトータル先鋭感が薄れたぶん、今聞いても1曲、1曲が上質な料理のように聞ける楽しさがあります。
アプローチの方角は異なりますが、Chick Corea率いるRetern To Foreverも、同時期に同じ方向を目指していたのでは。このアルバムにChick Coreaがゲスト参加しても、全然違和感がないと思います。
こういうサウンドは、ロック畑の人ががやるのとジャズ畑の人がやるのでは、同じ方向性でもサウンドカラーというか温度感が全然違うんですね。やはり、このメンバーがやったから、この唯一無二のアルバムになったと思います。私にとっては、この5th Wellcomeのメンバーがピークだったな。


Tonight Special At Bay Area Singapore 2013

このアルバムの中では、インスト曲ももちろんいいですが、ボーカルの、Love, Devotion And Surrender、When I Look Into Your Eyes、Yours Is The Light3曲が、今聞くと珠玉の出来だと思います。メロウなサウンドと湧いてくるロック的熱気のようなもののミックス感が。
When I Look Into Your Eyesのドラミング、そこにかぶせたベースのタッチなどは、ジャンルを超えて1流と言っていいでしょう。70年代前半は、プログレッシヴやブラスロックなどの演奏重視系ロックが出てきつつあった時代でしたが、その中でも異色の出来です。(演奏はもうロックではないけど。)

こういう進取の気概で、マーケットの評判など気にせずに作った作品をプログレッシヴという‥‥‥‥のじゃないかな。

Caravan Sarai(1972) By Santana 絶頂期の始まり



Carlos Santana : Guitar, vocals
Doug Rauch : Bass
Wendy Haas : Piano
Neal Schon : Guitar         ⇒脱退
Gregg Rolie : Organ, Piano, vocals ⇒脱退
Michael Shrieve : Drums
Jose Chepito Areas : Percussion
James Mingo Lewis : Percussion
Armando Peraza : Percussion

なぜ急にサンタナ?
この夏、うだるような暑さのなか、西洋と東洋アジアの文化が混ざった異国の街を歩いていた時に、聞こえて来たような気がしたのがサンタナのサウンドでした。

サンタナというと、何度かガラッとサウンドを変えたのがすぐ頭に浮かびますが、自分としては、サンタナは4th Caravan Sarai、5th Wellcome、6th Borboletta がすべてです。他のラテンロック系アルバムがいいとか悪いとかでなく。(あっ、6thと同年に出されたLotus(ロータスの伝説)もありました。やっぱりこの時期が自分にとって絶頂です。)

演奏中心にがらっと舵を切ったこの3枚は、それまでのサンタナファンには批判的に受け止められた(特に5thと6th)と記憶しているのですが、21世紀の今、あちこちのブログを読むと、実はこの3枚が一番好きだったという記述が目について意外でした。
ボーカルの比率をぐっと下げて、インストを聞かせるサウンドにして、それまでの熱っぽいのりのりラテンロックから、時にクールなフュージョンタッチ、時にトランス的とも言えるプログレッシブロックの香り。普通のロックファンにとっては「えっ?」という感じだったのかも知れませんが、当時の自分にとっては、ど真ん中ストライクでした。


Kuala Lumpur  Malayan Railways Limited Building 2016.8

その3枚の中で、一番、一般受けもよかったのがこの Caravan Sarai。アルバムチャート全米で8位、全英で6位を記録したとか。(こういうのは、ほとんど興味がないのですが。)
全部で10曲ですが、この時期のプログレッシブアルバムと同様、通して聞いて初めて素晴らしさが感じられるという、21世紀の今の時代とは真逆のトータルアルバム。
こういうアルバムは、曲ごとに感想を書くこと自体おかしいのですが、ほんの少しだけ。

1曲目から3曲目、夜明けの虫の鳴き声から始まり、CarlosとNeal Schonのディストーションギターが炸裂。私は、実はGregg Rolieのオルガンサウンドが大好き。オルガンのサウンドって、ピアノ系に比べて猥雑で、アジアか中近東のバックストリートを思い出させるような暑苦しさがたまらなく好きです。
ボーカルレスの混沌としたサウンドが続いた後に、4曲目は、いかにもサンタナらしいラテンロックテイストの曲。ボーカルは Gregg Rolieかな?
5曲目Song of the Wind。サンタナギターの代表曲と思ってます。
抑え気味のラテンパーカッションとオルガンに乗った、マイルドディストーションギターサウンドは、ギターを弾き始めた頃の自分にとって1つの理想形でした。
6曲目、All the Love of the Universeは、再び暑苦しいラテンロックかと思うと、ボーカル部分が急にロッカーバラードになるのがおもしろい。場面がくるくる変わるのがプログレッシブ的な感じも。

LPならここでB面。
序章のような7曲目から、8曲目Stone Flower。サンタナが演奏力をアップさせてジャズ、フュージョンにアプローチするとこんなことできるんだよ、という見本のような曲。ボサノバの大御所Antonio Carlos Jobimのカヴァーというのを知ったのはずっと後だったので、本当にびっくりしました。
もしかするとご存知ない方がいるかも、ということでYouTubeを載せておきます。かなり忠実にカバーしているのが驚き。
9曲目10曲目と、どんどん熱気を盛り上げて最後は宇宙に散る。



サンタナがもともと持つ、少し暑苦しいラテンテイスト部分と、突然現れる爽やかなパート。そしてギターソロ、オルガンソロ部分と行ったり来たりするジャジーな展開。そして繰り返されるパーカッションを聞いているとある種のトランス状態になってきていつの間にか50分が過ぎてしまう。今聞いても、改めて良く出来ているなと思います。

一部をコピーした記憶がかすかに残っていますが、こういうサウンドは音符をパラパラコピーしても意味が無くて、このサウンドを作ることが先決。エフェクトをいくつ直列にしてもこういうサウンドはなかなか出せるものじゃない、ということに気がつくのは、これを聞いたずっと後、20歳を越えた頃でした。
しかしこのギターは何じゃろな。Carlosは、70年代前半はレスポールを使っていた記憶があるのですが、所々聞こえてくるサウンドはどうしてもレスポールと違う。もちろんPRSを使うまだずっと前だし。ストラトを使っていた記憶もないし。
と思って1969のウッドストックを見てみるとSGでした。うん、これもしかするとSGかも。

サンタナもメンバーチェンジが相当激しいグループですが、この時期はピーク直前のような気がします。ピークは、1974年のLotus(ロータスの伝説)あたりかな、自分にとって。メンバーの変遷は興味深いものがあるので、冒頭に記しました。でも、録音中にもメンバーの出入りがあったようなので、本当は曲ごとなんでしょうが。
Neal Schonは、17歳にして凄腕のギタリストでしたから、セカンドギター的ポジションに飽き足らず飛び出したのは当然でしょうが、Gregg Rolieのオルガンが、Caravan Saraiを最後に聞けなくなったのは残念でした。

Caravan Saraiを聞いていると、モスクの横をパックを背負って歩いたのを思い出す‥‥

My Dear Life by 渡辺貞夫 (1977) (その2)元祖、プログレッシヴ・ジャズマン



Sadao Watanabe (as,fl,sn)
Lee Ritenour (g)
Dave Grusin (p,el-p)
Chuck Rainey (el-b)
Harvey Mason (ds)
Steve Forman (per)
Hiroshi Fukumura (tb)

前回の記事では、番組の話で終わってしまいましたが、このアルバムのことを。
なにより参加ミュージシャンが、全員が70年代、80年代のフュージョン界のビッグネーム。ナベサダが本格的にフュージョンに傾倒した記念すべきアルバムとして、もしかすると彼の一番な作品かも。自分もそのように思っていたのですが、この記事を書くにあたり久しぶりにこのアルバムを聞くと、少し印象が異なりました。

ナベサダのスタートは60年代初め、もちろんオーソドックスなジャズだったのですが、60年代後半からボサノバ、サンバのラテンに傾倒し、70年代前半はアフリカ音楽を大胆に取り入れ、そして70年代後半からフュージョン、エレクトリックの時代とスタイルを変えて時代に乗っていった(というより時代を作っていった)わけです。ナベサダの特別なファンと言うわけではないのですが、振り返ってみれば、日本のジャズシーンを動かしていたという巨人だったと思います。

もろフュージョンアルバムとの印象が強かったのですが、今聞くと、アフリカ時代を思わせる曲が結構入っているのに気づきます。(そういえばジャケット自体がアフリカテイストだ。)それらは、やはりナベサダのSAXの独壇場で、リトナーやデイブグルーシンもちょっとソロを入れづらそう。逆に、いかにもというフュージョン系の曲は、リトナーとグルーシンが立て板に水のソロを披露。8曲をじっくり聞くとこの2パターンがはっきり分かれていて面白いです。


The Tricycle Roaring Through The Jakarta 2006.4

と思っていると、なんとこのアルバム、録音が東京とL.A.の2箇所で行われていたのに気づきました。手元にライナーが無いので、どの曲がどちらの録音なのかはわかりませんが、多分、L.A.サイドの録音は、事前に送られた譜面を元に、ナベサダがアメリカに来る前にリトナー&グルーシンが自分達流にアレンジしたのでしょう。
そのリトナー&グルーシン組アレンジ曲のナベサダのSAXソロが素晴らしい。恐らく、スタジオに入ってアレンジを聞かされ、1日リハをやって翌日録音位のスケジュールでしょうが、完全にL.A.アレンジに溶け込んでいるのはさすがナベサダ。自分の曲だとはいえ。やはりレジェンドですね。

アルバムのエンディング曲"My Dear Life"は、間違いないくL.A.アレンジの1曲のはずです。リトナー&グルーシンに加え、ハービーメイソンのドラム、チャックレイニーのベースと、この音以外ありえないというくらいの珠玉のメロディーとアドリブ。
一番最初のボリュームペダルでのコンプたっぷりのギターから最後の音まで、書き譜でも不思議ない完成度ですが、このクラスになると、ナベサダがアメリカに来る前日に1回スタジオであわせた時に浮かんだラインだよ、てな感じでしょうか。

この"My Dear Life"という曲は、ナベサダのライブのエンディングのお約束曲で、この番組だけでも数十のテイクを聞いているはずなんですが、今、思い返すと、このアルバムのアレンジしか思い出せない位です。名曲だ。


The Catholic Church of Indonesia 2006.4

[おまけ]
"My Dear Life"の番組のことを探していると、素晴らしいHPがありました。
カセット233本にとりためた音源を基に、放送の日時、曲名、演奏者等のデーターが網羅されている貴重な記事です。これだけ整理するのは、相当な時間がかかっただでしょうね。敬服いたします。

いまでも ”ゴキゲンだね~” 『渡辺貞夫マイ・ディア・ライフ』備忘録
(http://www.geocities.jp/konkichi_fox2/)
By 狐野こん吉と愉快な仲間たち

ナベサダ、真にプログレッシブなミュージシャンだと思う‥‥

渡辺貞夫 My Dear Life (1977) (その1) 驚きの番組、マイディアライフ


My Dear Life (1977)

ある曲を聴くと、自分のある時期を思い出すことがあると思います。この"My Dear Life"を聴くと、今でも学生時代(それも高校時代)の週末の深夜を思い出してしまいます。というのも、"My Dear Life"は、今でこそ同名アルバムの1曲として認識されているでしょうが、もともとは、東京FMのレギュラー番組"My Dear Life"のテーマソングでした。
確か、土曜日の夜12時からだったような、いや日曜日の夜11時からだったかな。

調べてみると、1972/08/06から1989/03/25まで、毎週放送されていました。
音楽番組といっても、今のファストフード的FMのような、おしゃべりの合間にヒット曲を流すような番組とは訳が違って、渡辺貞夫(以下ナベサダで。)がライブコンサートやスタジオライブをやった音源を流してしまうというとんでもない番組。
もちろん、CD(当時はLP)になっていない完全オリジナルの音源。まだパソコンで音楽を聴く時代ではなかったですが、今、こんなことをやれば、毎週1枚、音質のいい貴重な海賊版が出来上がってしまうというとんでもない番組でした。



残念ながら、エアチェックしていたカセット、当時、余り大したデッキを持っていなかったこともあり、大部分は紛失、処分してしまいました。
が残っていた10枚位は全部MDにダビング済みです。記憶にはもっと残っていますが。
国内のライブ音源も凄いのですが、企画スタジオライブというか、海外から大物ミュージシャンが来日すると、本人をスタジオに呼んできて、日本のミュージシャンも交えてスタジオセッションをやってそれを1時間流してしまう。今から考えると夢のような番組。
当時の音源が残っていれば、1本1万円以上で売れますよ。(下世話でごめんなさい。)

さらに、海外のミュージシャンの新譜がでると、そのアルバムを丸々カバーしてして、それを流してしまうという。
今、手元に"My Dear Life Street Life"という音源MDがありますが、もちろんこれは、クルセーダーズのStreet Lifeを日本のミュージシャン達で丸ごとカバーしたもの。
ジャズマンなので、コピーでなくてクルセーダーズの曲を、自分達なりにアレンジカバーしたもの。
こんな演奏を番組で流してしまうなんて信じられないです。


Market Street, San Francisco  2016.1

ある時は、当時のフュージョンブームを反映して、デビュー間もないカシオペアをスタジオに呼んでセッションをしている。これがまた素晴らしい出来。ナベサダのSAXが、カシオペアのタイトなリズムを縫って、のびのびとアドリブをとっている。これを聴いた時、ナベサダは本当にプログレッシブなミュージシャンなんだと心底敬服しました。普通なら4Beatジャズの大御所が、こないだまで大学生だったエレギター中心のフュージョンバンドなんて、相手にもしないと思っていましたから。
(この音源は残ってます。(笑))

一番びっくりしたのは、プログレッシブロックの大御所、Yesのパトリックモラーツが来日した時にスタジオに呼んで、デュオでセッションしてしまった回。
「ロック畑の人なので直前までどうなるかと思ったけど、本当にグレイトなミュージシャンで、緊張感の高い演奏が出来て本当に嬉しい。」というナベサダの言葉をはっきり覚えています。
(この音源、確かカセットからMDにダビングした記憶があるのに見つからない。(涙))

いや、本当に驚きの番組でした。
今より音楽環境、よかったのかな。

番組の話をしていたら、アルバムのことが書けませんでした‥‥次回に

Music (1971) by Carole King 元祖、アメリカンポップミュージック


Music (1971) by Carole King

前回、ひょんなことから元祖ブリティッシュポップとも言うべきエルトンジョンを書いてしまったので、それなら元祖アメリカンポップもということで、棚からひとつかみしたのがキャロルキング姉。
キャロルキングの最高傑作が2nd「Tapestry」(1971)なのは誰しも異議がないでしょうが、その金字塔があまりにもまぶしいために、その直後に出された3rd「Music」は、今や埋もれかけてしまってますが、いやいやこのアルバムも素晴らしい作品です。

キャロルキングは、ご存知、元祖シンガーソングライターですが、シンガーソングライターというと、ボーカリストが勉強して曲も作ってみたよというタイプと、作曲をやっているのだけど自分でも歌いたくて、という2タイプに分かれます。(私の大好きなLaura Nyroは明らかに後者のタイプです。)
大抵ははっきりとどちらかに区分されるわけですが、キャロルキングは後者の作曲家が歌ったタイプの人になるでしょう。「Tapestry」が余りにも有名なので、一瞬、シンガーさんかと勘違いしそうですが。
何しろ他人への提供曲の数が半端なく、それらの曲が多くのヒットを飛ばしています。私も、彼女を聞き始めて数十年になっても、未だに、この曲キャロルキングの曲だったんだ!という発見があったりしますから。



1曲1曲の詳しい解説は、あちこちあるので省略しますが、音楽的に興味深いといえば、「Tapestry」と近い時期に作成、録音されたということで、サポートミュージシャンはもちろんのことサウンドが非常に近いことでしょうか。
例えば、このアルバム1曲目のBrother, Brotherと「Tapestry」の表題曲Tapestry(これは地味な曲ですが、アルバム「Tapestry」の中で一番好きな曲かも。)を聞き比べると、深くトレモロをかけたエレピの音がまったく同じ。単に同じエレピと言うだけでなく、トレモロの周期とデプスまでほとんど一緒なのに驚きです。

Song of Long Ago は、イントロのピアノといいパーカッションといい It's Too Late にそっくり。
曲調がメジャーとマイナーで異なるので、曲自体は似ていないのだけど、まるで、メジャーの曲をやったから次はマイナーの曲やろうか、と楽器もそのままで続けて演奏したようなサウンドです。中心となるピアノを、かなりオフ気味で部屋のリバーブを沢山加えて録っている。これが2枚のアルバムでまったく同じ音質なので、そっくりに聞こえるのも当然でしょう。

カーペンターズのカバーで有名になった It's Going to Some Time などは、ほとんどピアノ弾き語りということで、提供曲のデモ演奏のようにさえ聞こえます。もちろんいい意味で。聞き比べるとキャロルキングの原曲にかなり忠実にカーペンターズがアレンジしているのが面白い。それだけ完成度が高かったのでしょう。


(参考) It's Too Late from 「Tapestry」 Cover

手元に両方のアルバムのライナーが無いのでわからないのですが、もしかすると何曲かは同じスタジオで一緒に録音して、どちらのアルバムに入れようかな、と迷った可能性もあるのでは?というのが私の想像です。なにしろリリースが10か月しか離れてないのですから。いずれにしても、当時29歳のキャロルキングの作曲能力が、ピークを迎えていたのは間違いないでしょう。素晴らしいメロディーが次から次へと浮かんできたのでしょうね。

忘れてならないことに、私のフェイバリット3本の指に入るギタリスト、若き日のデヴィッド・T・ウォーカーがバックに参加しています。どこの部分かな、なんて聞き耳をたてつつ聞くのも面白い。


I dropped in a small bar 2015.3

実は、キャロルキングはピアノはそれほど上手でないし、ボーカルもクリアーな美声ではありません。
若い割にはガサガサした地声で、音域もむしろ狭いほう。もちろん、これは作品の素晴らしさとは何の関係もないですが。これが、逆に新鮮に聞こえたという気がします。1950年代までの職業作曲家+スタジオミュージシャン+(アイドル)ボーカリストという分業の公式をぶっ壊したのは、アメリカではキャロルキング、ジェイムステイラーあたりでしょう。(イギリスではもちろんビートルズ。)

この声質が幸いしたのかどうか、キャロルキングの最近のライブ---もう60歳をはるかに超えている---を聞いても、声が老化していてがっかりするようなことなく、むしろ昔より丸くなっていいなと感じるくらい。ボーカルだけは、歳がはっきり出ますから。
当時のキャロルキングといえば、本人が意識した訳ではないでしょうが、「Tapestry」のジーパン姿とオーバーラップして、自立した女性イメージのアメリカ文化の香りだったような。リアルタイムでは聴いてないものの、若者ロック文化の始まりだったのか。

おっと、キャロルキングの Musicの話をしたのはもう一つの意味があるんです。アルバムの表題曲 ”Music”。当時はジャズに接近したなんて言われた曲ですが、これが結構よくて最近アレンジして遊んでみました。次回はこの曲をピックアップしたいと思います。

このジャケット、当時のレコード店で買おうかどうしようか迷ったっけ‥‥

1. Brother, Brother 
2. It's Going to Take Some Time
3. Sweet Seasons
4. Some Kind of Wonderful
5. Surely
6. Carry Your Load
7. Music
8. Song of Long Ago
9. Brighter
10. Growing Away from Me
11. Too Much Rain
12. Back to California

Since 2012.9.23
プロフィール

Author:AKISSH
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休日は、You Tubeで好きな曲を見つけて
コピーしたり、カメラ片手に旅を。
そして海外に飛び出そう。
(このブログについて)
(5th Anniversary)(その1)

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