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音楽と楽器、そして時々海外に

 

Map To The Treasure(2014) By Billy Childs Tribute to Laura Nyro(1)


Map To The Treasure(2014)

あけましておめでとうございます。今年も、本ブログをよろしくお願いします。
2015年の最初に、何か思い入れのあるものを書きたいと思い、選んだのが Laura Nyro。
いつか書きたいと思いつつ、今まで書けなかったので。
洋楽の最初期に聞いた BS&Tの楽曲を書いたのがLaura Nyroでした。彼女のオリジナルソングを聞く前にカバーを聞いていたわけですから、まさに作曲家としてLaura Nyroを知ったといえます。

Laura Nyroは、スタイルはシンガーソングライターですが、音楽シーンに永久に名前を残したのは間違いなくソングライターとして。カバー曲(提供曲と言った方がいいか。)では、ヒットチャート上位まで何度も行っていますが、自身のボーカル曲ではヒットチャートと無縁だったという、少し珍しい形での活躍でした。そんなこともあり、キャロルキングなどとほぼ同時代に活躍していたにもかかわらず、知名度という意味では知る人ぞ知るという地味な存在だったのでしょう。

それにしても、若干20歳で発表した1stアルバムから、BS&T、フィフス・ディメンション、バーブラ・ストライサンド(2ndからはスリー・ドッグ・ナイト)らが取り上げ、いずれも大ヒットになったのですから、本当に凄い。まさにミュージシャンズ・ミュージシャンと言えるでしょう。

さて本作、年は明けてしまいましたが、2014を振り返って間違いなくベストCDです。
没後17年となる 2014に発表されたのが、Laura Nyroへのトリビュートとして、作編曲者兼ピアニストの Billy Childsがアレンジしたカバー集 Map To The Treasureです。Laura Nyro のCDとして、彼女のカバーアルバムを紹介するのも妙ですが、コンポーザーとしての彼女をトリビュートしたと考えれば、それもまたうなずけます。

1st『More Than A New Discovery』から1曲、2nd『Eli And The Thirteenth Confession』から2曲、3rd『New York Tendaberry』から3曲、4th『Christmas And The Beads Of Sweat』から3曲、9th『Mother's Spiritual』から1曲の全10曲。
一般的には、初期の2nd~4th辺りが代表作といわれているので、本作の選曲は納得でしょう。


NewYorkTendaberry(1969)

最初に聴いて驚いたのは、まるで Laura Nyroの作品のような統一感。カバー集に良くある、色々アレンジして遊んでみました的趣がまったく無い。
ボーカルもよく聴けば Laura Nyroとは違うのですが、聴きながら他のことをやっていると、 Laura Nyroのアルバムと錯覚してしまうほど。ライナーを読んでさらに驚いた。ボーカルは10曲すべて別の人。Laura Nyro独特の強い抑揚と、かなり低い音域からのファルセットを皆、意識的に多用しているからかもしれませんが。

Laura Nyroを好きな人には言うまでもないですが、彼女の曲はどこかダークな雰囲気が強い。長調の曲でもポップな曲でも。特に初期の頃は、どの曲も『New York Tendaberry』のジャケットの雰囲気そのまま。そのダークな雰囲気を完璧に再現しているのは、 Billy Childsのアレンジの勝利でしょう。しかも原曲より圧倒的にゴージャス。やはり原曲がいいから、ここまで映えるのでしょう。
聴けば聴くほど、Billy Childsの Laura Nyroに対する愛が感じられてきました。選曲とアレンジとメンバー選定に相当時間をかけ、練りに練った結果がこの作品ではないでしょうか。

もう一つのこのCDの良さは、間違いなく音質と音場です。
メンバーは、リズム隊は2組、弦楽器とギターは通しで。ピアノは勿論 Billy Childs。
全体に深いリバーブ。特にピアノには、これ以上かけるとやり過ぎという位のかなり大胆な深い音場。弦楽器でサウンド全体を支え、リズム隊はあくまで控えめ。そこにボーカルとソロ楽器は浅いリバーブにして、バックからくっきり浮き上がらせている。
例えば、Save The Countryの3:00からの、生ベースにのったトランペットソロの部分。
うーん、いいサウンドだ。

最後の曲、キースジャレットばりのピアノソロとブラシドラムから始まる。マイナーとメジャーを行ったり来たりのボーカル。あれ?これ Laura Nyroの何の曲?と、例の有名なフレーズが出てくるまでの1分間、何の曲かわからない。
彼女の曲の中でも最も有名な And When I Dieを最後に持ってきたのは、間違いなく Billy Childsの渾身のアレンジ自信作だからでしょう。


Gonna Take a Miracle (1971)

Laura Nyroは、ポップスという程ポップではないし、ソウルというには黒人の香りはしない、ジャンル的には中々分類し難いミュージックですが、それを17年後にカバーした本作は、さらにジャンルに分類するのが困難な音楽となっています。(ジャンルなどどうでもいいですが。)
演奏だけ聴いても十分楽しめるけど、ボーカルも含めたトータルサウンドが本当に素晴らしい。

ジャンルを超えたこんな傑作、久しぶりだ‥‥

Laura Nyro & Labelle "The Bells"

https://www.youtube.com/watch?v=XoBnGupHVHE

※彼女の作品中、唯一カバー作のみで構成した異色作、5th『Gonna Take a Miracle』(1971)から。
静粛な出だしと後半のゴスペル調の歌唱が、いかにもLaura Nyroらしい。
出来ればPCのスピーカーでなく、いい音で聞いてみて下さい。


Map To The Treasure(2014)

01. New York Tendaberry (Feat. Renee Fleming & Yo-Yo Ma)
from『New York Tendaberry』 1969
02. The Confession (Feat. Becca Stevens)
from『Eli And The Thirteenth Confession』 1968
03. Map To The Treasure (Feat. Lisa Fischer)
from『Christmas And The Beads Of Sweat』 1970
04. Upstairs By A Chinese Lamp (Feat. Esperanza Spalding & Wayne Shorter)
from『Christmas And The Beads Of Sweat』 1970
05. Been On A Train (Feat. Rickie Lee Jones & Chris Potter)
from『Christmas And The Beads Of Sweat』 1970
06. Stoned Soul Picnic (Feat. Ledisi)
from『Eli And The Thirteenth Confession』 1968
07. Gibsom Street (Feat. Susan Tedeschi & Steve Wilson)
from『New York Tendaberry』1969
08. Save The Country (Feat. Shawn Colvin & Chris Botti)
from『New York Tendaberry』 1969
09. To A Child (Feat. Dianne Reeves)
from『Mother's Spiritual』 1984
10. And When I Die (Feat. Alison Krauss & Jerry Douglas)
from『More Than A New Discovery』 1967

トラックバック先のToshiyaさんのページです。
中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar
Billy Childsによる素晴らし過ぎるLaura Nyroトリビュート
Comments
 ご紹介ありがとうございます。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

当方ブログをご紹介頂きましてありがとうございます。ご指摘の通り,本作は実に素晴らしい作品でした。Billy Childsその人は地味な人だと思いますが,この作品は集ったミュージシャンの好演を引き出し,見事でした。プロデュースのLarry Kleinの手腕もありでしょうが,まさに感動的な作品に仕上がりました。

本作はいろいろな方も褒められていますが,もっと注目されるに値する傑作と思います。
 中年音楽狂様
雑誌のCD評を読まなくなって久しいですが、
興味深く読ませてもらっているブログから、
このような傑作CDを見つけることが出来てよかったと。
今後ともよろしくです。
 謹賀新年
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

ローラ・ニーロのことは、ほとんど知らなかったので、
紹介されている曲から、YouTubeにとんできました。

数曲ほど視聴しましたが、モータウンやメンフィスの、
黒っぽいサウンドで、歌もかなりソウルフルですね。
 Re: 謹賀新年
聴かれたとおり、ブルーアイドソウルというか、白人なのに黒っぽいという
独特のものです。モータウンやメンフィスの香りは、日本では相当マイナーな
位置なので、昔からおよそメジャーな世界とは縁がなかった。
(本国でもそうだったらしいです。)
でも、ミュージシャンには妙にひいきにされ、カバーされいくつもの
大ヒットを生んできたという、本当に不思議な人です。

でも、本CDは Laura Nyroのボーカルに少し抵抗がある人でも、感じるところ
あるはずと思っています。(そもそも、Laura Nyroのボーカルではないし。)

こちらこそ、今年もよろしくお願いします。

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