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Weekend In 心は L.A.

音楽と楽器、そして時々海外に

 

Chicagovich(2017) By Leonid & Friends 東側から来た男達(2)驚異的なサウンド

Leonid & Friends の第2回はサウンド面から。
メンバーを見ると、同じ楽器がダブっているのがわかります。
ギターが3人、ベースが2人、キーボードが2人。ボーカルはメインボーカルをとる人が4人位いて曲によって歌い分けている。シカゴの魅力の1つは、それぞれに個性のあるボーカリストがいること。初期なら、ロバート・ラム、ピーター・セテラ、テリー・キャスの3人。上手さでは前2者にひけをとるけど、テリー・キャスのあの無骨なボーカルが結構好きです。

トロンボーン2人、トランペット類3人、サックス5人。
サックスはテナー、アルトに加えバリトンもいるし、さらに驚くべきはホルンまで。(YouTubeで見る限りソプラノを吹いている人はいなかった。)曲によっては3声のサックスに、Tp,Tb,BTb(バストロ)と目茶目茶ゴージャスな編成の時もあります。ボルヴィエフ(Vorobyev)はアレンジは本職のようなので、ブラスアレンジはオリジナルを超えて楽しんでいるのでしょう。日本でも、テナーとフルートを持ち替えて演奏する人はいるけど、相当ゴージャスな管のメンバーです。


New York Times Square 2017.8

おそらく21名という編成は、オリジナルシカゴのように、固定メンバーで活動する普通のバンド形態ではなく、リーダーのボルヴィエフ(Vorobyev)が、シカゴの曲を録音するために音楽仲間を招集し、その時点の各人の都合(あるいは曲と楽器アレンジ)で曲ごとにメンバーを編成をしているのが原因なのではと想像します。
特に管のメンバーはどうみてもアマチュアではなさそう。ロシアにビッグバンドがどの程度あるのかわかりませんが。いや、チャイコフスキーからの音楽文化の国ですから、もしかすると普段はオーケストラで演奏してます、なんて人もいそうだな。

大人数編成になると、スタジオでの練習1つでも大変な手間になってくるので、ライブに向けて曲ごとに違ったメンバーで練習するなど考えにくいし、ライブ会場に21人で入り曲ごとに奏者がステージに出入りするなどまず考えられない。
ライブ活動のメンバー(YouTubeの動画が4つ位あります。)とスタジオ録音時の拡張メンバーが存在するのではないか、というのが今のところの推測です。ただ、ライブの管のメンバーは必ずしも固定していない感じです。ローテーションを組んでやっているのか、もう少し研究が必要です。

おっと、紅一点のKsenia(Kesenonaは通称か?)を忘れてはいけない。まさに正統派ロシア美人。
ボーカルも上手ですが、あまりに美人なので彼女が動画に写るとサウンドどころではなくなりますね。


New York Union Square 2017.8

CD Chicagovich は、ほとんどが初期レパートリーの有名曲をカバーしているので、おのずと初期メンバーのサウンドが中心となります。CDの全ての曲をオリジナルと聞き比べた訳ではありませんが、そのコピー度は驚くほど完ぺきです。

まず、ドラムとベースがほぼ完コピ状態。ドラムはロールやパラディドルなどの細かいフレーズ(というより、シカゴのオリジナルメンバー Daniel Seraphineの手癖)をそのまま再現しているのは、相当シカゴ愛が強いんだろうなと想像します。オリジナルドラマーを上回る技術をもった現代のドラマーが完コピしているので、リズムがタイトで聞いていて本当に気持ちがいい。

ボルヴィエフ(Vorobyev)のベースも完コピに相当こだわっていますね。
完コピというと、ソミドというフレーズをソミドと弾くことが完コピだと思っている方がいたら、それはちょっと違うよといいたい。ギターやベースならその音を何弦で弾いているか、弦の太さは、さらにどんな音質で弾いているかを追求していくのが完コピです。

例えば、Beginnings。(すいません、いきなりCD Chicagovichに無い曲をあげてしまった。これは2018.4時点で最新のYoutube音源です。2ndCDに入るのかな?)



ピーターセテラは、概ねフェンダープレシジョンベースを使っていましたが、初期のアルバムを聴くと、なぜかサスティンの短いボンボン、ポンポンという軽いベースサウンドになっている。プレベを普通に弾けばかなりサスティンの長いズーンという音質のはずだが、まるでヘフナーの箱ベースのような音。いくら録音が古いと言っても、こんな音にしか録音出来ない訳はない。考えられることとしては、ピーターがこういう音質のベースサウンドを好きで、右手(ひょっとすると左手)でミュートしながら弾く癖があったのではないか。この世代だと、1960年代のポップスを聞いて育ったので、あながち不思議ではない。このベース音の極めがBeginnings。オリジナルを聞けばすぐにわかります。

これをそのとおりの音質でコピーしていた。しかもプレシジョンベースで!
これはもしかすると‥‥YouTubeを見るとやはり想像どおりでした。

ボルヴィエフ(Vorobyev)の Beginnings でのベースプレイというかベースを見て下さい。
ベースのナット部分をよく見ると、変なものが巻き付いているのが見えませんか?
これは、テニスの時に腕に巻きつける汗とり用のリストバンドのようなものです。(テニス用よりもっと幅が狭いですが。)これをつけると、弦がナットのところで軽くミュートされてサスティンが短くなり、結果としてボンボンというベース音になります。

何でこんなことするのか?実は今でもやっている人はいます。(私もやったことがあります。)
4beatのジャズスタンダードやバラードなどでベースを弾く時、エレべだとサスティンが長くサウンドが強すぎて、生ベの音と異なり過ぎてしまう。このためアコベに似せるためにこういう細工をするわけです。もちろん、その場で生ベを弾ければそれがベストです。あくまでエレべ1本しか現場に持っていけないときの緊急避難です。


New York Lexington Ave. 2017.8

ここまで音質コピーに拘っているなんて、さすがだなと思うのですがいかがでしょう。まだまだじっくり聞くと「こんなところまで完コピかよ。」という部分が段々発見できます。
一言お断りを。完コピが素晴らしい、コピー度が低い演奏は大したことないとは思いません。私はむしろ逆で、今は完コピにそれほど価値を見出さないほうです。でも徹底的に拘るのも聞いていて気持ちいい。
曲によっては、管のフレーズを変えたり、弦を入れたりと必ずしもすべてが完コピにこだわっているわけでないのが、また興味深いところですが。

ボルヴィエフ(Vorobyev)の気持ちを想像するに、
「青春時代、シカゴのアルバム1枚手に入れるのも困難だったソ連。ライブはおろかラジオでも聞いたことがないシカゴ。少年時代を思い出しながら、自由に海外旅行が出来る今、自分の音楽人生のやり残した夢として、シカゴを管を含めて究極の完コピするぞ!」
という気持ちが痛いほど伝わってくるのです。レコードに穴が開くどころか、CDに穴が開くほど聞いたのでは?

ロシアのロック野郎、想像以上に凄いよ‥‥‥

Chicagovich(2017) By Leonid & Friends 東側から来た男達(1)
Comments
 ビギニング
初期のシカゴというと、「長い夜」のイメージが強く、激しいサウンド、アーシーな感じが、「愛ある別れ」「素直になれなくて」と洗練されていったと思っていたので、「ビギニング」のカバーは、ずいぶんさわやかだなあという印象でした。

原曲を聴いてみたら、イントロから当時に珍しいコーラスをかけたようなアコギのさわやかなカッティングで、カバーのおかげで、シカゴを見直す(聴き直す)ことができました。

多くのメンバーによる再現は、レコードがダビングされている以上、必然だと思いますが、例えばイエスが5人でレコードを再現していたのに、ABWHではサポートメンバーがいたのは、ちょっと納得できなくて、カバーだから許せるというところでしょうか。
(逆に、カバーであれば、よりレコードに近い方が嬉しくなります。)

ベースのミュートの件、昔友人が左手にタオルを巻いて、フレットレスの音を再現していると言っていたので、何をやってるんだかと横目で見ていましたが、そういうのって本当にあるんだなあと感心しました。
 Re: ビギニング
コメント、ありがとうございます。
Beginnings はロバートラムの傑作ですね。
1970年代で才能が枯渇したと悪口を言われるラムですが、この頃の作曲センスは素晴らしいと思います。
カバーでボーカルをとっている、Sergey Kashirin(セルゲイ・カシーリン)
のボイスも少し鼻にかかったところがベストマッチングですし。
ピーターセテラのベースラインは、ライブでもそっくりこのまま弾いていることからわかるように完全書き譜ですが、
それを完コピするLeonid Vorobyev(レオニード・ヴォルヴィエフ) もほほえましいなと。

私も、当時、余り聞かなかった6th以降のアルバムを、これを機会に聞き返すことになりました。

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