- Date: Thu 30 05 2019
- Category: Brisbane 旅行記
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ブリスベーン旅行記(4) 最終日、二度目のカフェ "Raphael's"
出張に休暇を付け足して生み出した「疑似1人旅」はわずか3日、今日で終わり。
幸い飛行機は夕方発で、飛行場も近いので、今日も午後まで時間がある。
近くのサウスブリスベーン駅からは、北に南に何本かの路線が通っている。
昨日、ゴールドコーストまで南行き列車に乗ったので、今日は北行き列車に乗って海辺を歩いてみよう。

ShornCliffe Pedestrian 2013.5
終着駅は、ShornCliffeという海の近くにある駅で、周囲は木々の緑に囲まれている。駅前の車寄せスペースから道を渡ると、もうそこは1軒家。1軒のゆったりとした敷地は、いかにもオーストラリア。
ともかく海に出てみよう。太陽のある北に向かって歩けば海に出られるはずだ。
こういう時は、東西南北、自分がどちらに向いているかという感覚が結構役にたつ。
しばらく歩くと下り坂になり海辺に出た。
ブリスベーンから10km位しか離れていないのに、はるか向こうまで自然海岸が続いている。浜辺を歩いて行くと、目の前に犬の散歩をさせている男性がいた。時々この砂浜を散歩しているのだろうか。

The Man And Wanko 2013.5
「地元の方ですか?」
「時々、ワンコノ△△ト、コノ海岸ヲサンポスルノサ。」
「仕事カイ?遊ビカイ?」
「仕事でブリスベーンに来て、終わったので2、3日ぶらぶらです。」
「日本に来たことはありますか。」
「ナイナ。コノ海ノ向コウニ、アルンダヨナ。」
「小さな国だけど、美しい国ですよ。いつか来て下さい。」
「コノワンコト、一緒ニ行ケレバイイノニナ。」
そんな話をしながら、砂浜をしばらく一緒に歩いた。
今でこそ、海外で、特に1人の時は現地の人に話しかけるようにしてますが、その時は、今日初めて会って、もう2度と会わない人と話をしている自分が不思議でした。

The Dowse Lagoon 2013.5
海から少し入って内陸に向かってみる。海岸沿いの、良質な住宅地という感じ。真昼間の住宅地なので歩いている人もちらほら。ところどころに家が建っている。ほんとうにいいところだな。こんなところに住んでいたら人間、穏やかになるよ。住宅地を抜けると、林と沼が現れる。ラグーンという湿地帯らしい。
当時は、スマホのグーグルマップもないので、ほぼ地図無で歩く。
太陽と海岸の向きからみて、西に向かえば駅があるはずなので、そこで昼食にしようか。
小1時間、自然の中を歩くと建物が少し多くなってきて、ついに丘の向こうに駅が見えてきた。
さすがに駅の近くには、色々なお店が並んでいる。

The Cafe Raphael's 2013.5
地元のカフェに入る。実は、このお店、2度目。
数日前、まだ出張の仕事日、たまたま昼間スケジュールが空いたので1人でふらりと電車にのり、このカフェに入り昼食をとった。また来ようと思ったわけではないが、このことがあったので無意識にこの路線に乗ったのかも。たまたま入ったとしか言いようが無いお店なのに、また来てしまった。
ドアを開けて少しだけおしゃれな店内に入る。昼時でも5,6人しかいない小さな店。おそらく夫婦でやっている店で、奥様と思われる女性がオーダーをとりに来た。もちろん数日前と同じ女性。
まさか自分が覚えられているなんてことはないだろう、と思いつつオーダーすると、
「Oh! コナイダノ人ネ!」ニコッと笑ってくれた。
覚えていてくれたのか。こんなことが意味もなく嬉しかった。よく考えれば、オーストラリアの郊外の街に、見慣れぬアジア人が来ることなどまずないので印象にあったのか。

I'm happy to meet with you again. 2013.5
「日本から仕事でブリスベーンに1週間ほど来ているんです。」
「日本カラナンテ、珍シイワネ。」
「海岸を散歩していて、このお店のランチが美味しかったのでまた来たんです。」
「ウレシイワ。イツマデイルノ?」
「実は、今日の夜便で帰国なんです。」
「マア、ナンテコト!」
オーダーのついでの会話でした。
記念に2人で写真を撮ったのが、ブリスベーン最後の思い出となり、生まれて初めてのパックツアーでない3日間はこうして終わった。

Somewhere in ShornCliffe 2013.5
ブリスベーンなんて観光的には無名の都市ですが、1人で過ごしたこの数日は不思議と印象に残っている。何が面白かったんだ、と言われたら返す言葉はありませんが。
1人でダウンタウンを歩きまわり、地元のスーパーで買い物。季節外れのゴールドコーストに行き、オーストラリアの人さえ知らないような砂浜を歩き、郊外のカフェで昼食を2回。ただそれだけ。
でも2人と話した言葉は、今でも記憶にあるし、景色は焼きついている。
それまでは、旅行とは目的地があって、それを見に行くものだと思い込んでいた。
世界遺産なんて無くても、記憶に残る旅行になるんだ。
海外の旅が楽しいと思う原点は、間違いなく6年前のこの数日にありました‥‥‥(完)
(今回は短かったですが、旅行記にお付き合いありがとうございました。)
幸い飛行機は夕方発で、飛行場も近いので、今日も午後まで時間がある。
近くのサウスブリスベーン駅からは、北に南に何本かの路線が通っている。
昨日、ゴールドコーストまで南行き列車に乗ったので、今日は北行き列車に乗って海辺を歩いてみよう。

ShornCliffe Pedestrian 2013.5
終着駅は、ShornCliffeという海の近くにある駅で、周囲は木々の緑に囲まれている。駅前の車寄せスペースから道を渡ると、もうそこは1軒家。1軒のゆったりとした敷地は、いかにもオーストラリア。
ともかく海に出てみよう。太陽のある北に向かって歩けば海に出られるはずだ。
こういう時は、東西南北、自分がどちらに向いているかという感覚が結構役にたつ。
しばらく歩くと下り坂になり海辺に出た。
ブリスベーンから10km位しか離れていないのに、はるか向こうまで自然海岸が続いている。浜辺を歩いて行くと、目の前に犬の散歩をさせている男性がいた。時々この砂浜を散歩しているのだろうか。

The Man And Wanko 2013.5
「地元の方ですか?」
「時々、ワンコノ△△ト、コノ海岸ヲサンポスルノサ。」
「仕事カイ?遊ビカイ?」
「仕事でブリスベーンに来て、終わったので2、3日ぶらぶらです。」
「日本に来たことはありますか。」
「ナイナ。コノ海ノ向コウニ、アルンダヨナ。」
「小さな国だけど、美しい国ですよ。いつか来て下さい。」
「コノワンコト、一緒ニ行ケレバイイノニナ。」
そんな話をしながら、砂浜をしばらく一緒に歩いた。
今でこそ、海外で、特に1人の時は現地の人に話しかけるようにしてますが、その時は、今日初めて会って、もう2度と会わない人と話をしている自分が不思議でした。

The Dowse Lagoon 2013.5
海から少し入って内陸に向かってみる。海岸沿いの、良質な住宅地という感じ。真昼間の住宅地なので歩いている人もちらほら。ところどころに家が建っている。ほんとうにいいところだな。こんなところに住んでいたら人間、穏やかになるよ。住宅地を抜けると、林と沼が現れる。ラグーンという湿地帯らしい。
当時は、スマホのグーグルマップもないので、ほぼ地図無で歩く。
太陽と海岸の向きからみて、西に向かえば駅があるはずなので、そこで昼食にしようか。
小1時間、自然の中を歩くと建物が少し多くなってきて、ついに丘の向こうに駅が見えてきた。
さすがに駅の近くには、色々なお店が並んでいる。

The Cafe Raphael's 2013.5
地元のカフェに入る。実は、このお店、2度目。
数日前、まだ出張の仕事日、たまたま昼間スケジュールが空いたので1人でふらりと電車にのり、このカフェに入り昼食をとった。また来ようと思ったわけではないが、このことがあったので無意識にこの路線に乗ったのかも。たまたま入ったとしか言いようが無いお店なのに、また来てしまった。
ドアを開けて少しだけおしゃれな店内に入る。昼時でも5,6人しかいない小さな店。おそらく夫婦でやっている店で、奥様と思われる女性がオーダーをとりに来た。もちろん数日前と同じ女性。
まさか自分が覚えられているなんてことはないだろう、と思いつつオーダーすると、
「Oh! コナイダノ人ネ!」ニコッと笑ってくれた。
覚えていてくれたのか。こんなことが意味もなく嬉しかった。よく考えれば、オーストラリアの郊外の街に、見慣れぬアジア人が来ることなどまずないので印象にあったのか。

I'm happy to meet with you again. 2013.5
「日本から仕事でブリスベーンに1週間ほど来ているんです。」
「日本カラナンテ、珍シイワネ。」
「海岸を散歩していて、このお店のランチが美味しかったのでまた来たんです。」
「ウレシイワ。イツマデイルノ?」
「実は、今日の夜便で帰国なんです。」
「マア、ナンテコト!」
オーダーのついでの会話でした。
記念に2人で写真を撮ったのが、ブリスベーン最後の思い出となり、生まれて初めてのパックツアーでない3日間はこうして終わった。

Somewhere in ShornCliffe 2013.5
ブリスベーンなんて観光的には無名の都市ですが、1人で過ごしたこの数日は不思議と印象に残っている。何が面白かったんだ、と言われたら返す言葉はありませんが。
1人でダウンタウンを歩きまわり、地元のスーパーで買い物。季節外れのゴールドコーストに行き、オーストラリアの人さえ知らないような砂浜を歩き、郊外のカフェで昼食を2回。ただそれだけ。
でも2人と話した言葉は、今でも記憶にあるし、景色は焼きついている。
それまでは、旅行とは目的地があって、それを見に行くものだと思い込んでいた。
世界遺産なんて無くても、記憶に残る旅行になるんだ。
海外の旅が楽しいと思う原点は、間違いなく6年前のこの数日にありました‥‥‥(完)
(今回は短かったですが、旅行記にお付き合いありがとうございました。)
いい旅でしたね!
「記憶に残る旅行」という言葉に、うん、うん、と頷いてしまいました。
私は、完全な?海外個人旅行は殆どしたことはありませんが、最近は人との触れ合いが目的の一つにもなっています。(その割に、語学の上達は停滞気味ですが)
観光も勿論楽しみですが、『記憶に残る』というと、やはり異国での人との触れ合いが大きいなあ、と。