FC2ブログ

Weekend In 心は L.A.

音楽と楽器、そして海外に

 

曲コード譜の耳コピーが出来るようになるには

バンドで新しい曲を演奏するとき、曲のコード譜を作る必要に迫られたことが楽器を弾いている人なら1度や2度はあると思います。ミーティングで、譜面が販売されてなかったら、この曲は止めようとか。そんな時、コードコピーが出来るようになりたいと思ったことありませんか?
アドリブソロをコピーすることもコピーといいますが(一般的にはむしろこちらか)、ここでは曲の譜面をつくるためのコードコピー能力を身につける方法を書いてみます。



曲のコードコピーは、普通、以下のような手順になります。

①まず曲の構成を調べる
曲を聞いて、イントロが8小節、Aメロが8小節、Bメロが8小節、サビが12小節、Bメロをもう1回やって終わり、計44小節の曲、ということを把握する。この時点では、コードがわからないので、5線譜に小節線だけ44小節書きます。リピートやD.S.、コーダの部分も小節線だけでよいので、原曲の構成そのままの譜面をつくります。
Jazzスタンダード曲なら、10分以上の曲でも32小節(の繰り返し)なんてものもあります。

②小節ごとにベースの音をとる
まず1小節ごとにベースの音をとり、続いてその他の音もとります。キーボードでとるのが普通でしょう。ギターは和音演奏に構造上の限界があるので、ギターでコードを取るのは非常にやりにくいです。不可能ではないですが。
例えば、ド、レ、ミをギターで同時に発音させることはできますか?出来ないでしょ。
(レを1オクターブ上げてはいけません。それは別のボイシングになってしまいます。)
(ピアノの分数コードはギターで演奏不可能なものが多い。最初からキーボードでとった方がいいです。)

③とった音からコードを確定する
まずベース音をとって、それがレならコードはDなんとかになるはずだ、ということで、今度はメロディ楽器の音程をとって、メジャーかマイナーか、7thが鳴っているか、テンションは何だ?とあてはめていき、最終的に例えば Dm11 だ、で1小節のコピー終了です。



以上を曲の終わりまで繰り返すのですが、実際は、44小節の曲を、小節ごとに44回この手順をこなすことはありません。(リピート部分は勿論、省略できますが、それ以外も)
コード進行は、アトランダムにコードが出現する訳ではなく、普通よくつかわれる進行というのは大体決まっています。ここで、『コードコピーには音楽理論の理解が不可欠』となるわけです。

音楽理論というと難しく聞こえますが、コードコピーで使う能力はわずか2つのみ。
①コード進行の定石を知っていること。
②耳で聞いた音とコードが1対1対応できること。(ポピュラーでは絶対必須)

①は、ロック、ポップスから楽器に入った人なら、FやらG7やらを中学生の頃から見ているでしょうから、無意識に半分くらいは理解できていると思います。音楽理論というと、スペイン語を習うがごとく最初からあきらめている人が多いですが、①だけなら量はそれほどではありません。音楽理論は人間が作った後付けの理屈ですから、センスとか感覚は関係ありません。理屈を覚えるだけです。私もいつの間にか概ねマスターしました。

②は、どこかの時点で集中的にそういう訓練をすることです。楽器を弾いている人なら①よりずっと簡単なはずです。



もう少し具体的に書きます。まず①。

問1;以下のコード進行になっていた時に?のコードは何か。
(音源無しですが、この5小節で一段落する終止感のある進行だと思ってください。)

l Em7 l A7 l ? l G7 l C l (Key=C)

これが1秒以内にわからなければ、楽器でコードの音を拾うより、理論を勉強した方が早いです。
コードコピーをやっている人で、上の進行の時に?コードの音を拾う人は1人もいません。
この5小節は1音もとらなくても、上のコードが書けるはずです。

問2;AメロやBメロの終わりは、大体以下のコード進行になっています。いわゆるツーファイブです。

l Dm7 l G7 l C l (Key=C)

この感じに似た終始感なのだけど、ベース音をとると2小節目がDbになっている。
下の?コードは何か。

l Dm7 l ? (Bass=Db) l C l (Key=C)       

これも同じく1秒以内にわからなければ、まず理論を勉強すべきです。
こんなところまで音をとっていたら、1曲コピーするのに何日もかかってしまいます。

②コード音感
ポピュラーでは、テンションを除けば9割位は、以下のどれかのコードで出来ています。

C、CM7、C7、C7sus4、C7(b5)、Caug、Cm、Cm7、Cm7b5、Cdim  これで丁度10個。

コード音感の能力は2段階あります。区別できることと、どれだかわかること。

第1段階、この10個の区別が聞いてわからなければ、楽器を弾くのは残念ながら難しいと思います。
フォークギターをじゃかじゃか鳴らす程度でしょうか。

第2段階は、違うと感じるだけでなく、コードが単独で鳴った時に「これはCディミニッシュだ。」(ルートは一定として)、とわかる能力です。この10個のどれかがなった時、1つでもわからないコードがあるならコードコピー以前の問題です。
まず徹底的にコードの響きを体に染み込ませて下さい。
最終的に、この10個と各コードの展開形(ボイシング)、テンションコード、分数コードで、概ねポピュラー曲は対応できるはずです。

③コード音感を付けるための聞き方。

楽器ごとに音を聞けるようにしましょう。1つの曲を、まずベースの音だけ聞くに始まって、ピアノの音だけ、ギターの音だけ(最初は楽器の数が少ないものを)。譜面に落とす必要はなく、楽器ごとに頭の中で一緒に歌えるようになればOKです。何十曲もやる必要はなくまず数曲集中して。最初は曲全体しか聞けなかったのが、訓練すると特定の楽器の音だけが、浮き上がって聞こえてくるようになります。
楽器の音を別々に聞けるようになると、どの楽器がコード感を支配しているかが分かってきます。
いつもボーカルのメロディーだけ聞いてます、ではいつまでたってもコード音感は身に付きません。



最後に、曲のコードコピーが出来るようになりたい方へのスモールアドバイス。

【1】曲は必ずまともなヘッドフォンで聞きましょう。録音された音、特にベースの音程を正確に聞き取れない環境ではコードコピーは無理です。1曲をコピーするために3時間ヘッドフォンで聞き続けるというのは、ごく普通のことですから。楽しむための聞き方とは根本的に異なります。

【2】曲を聞く時に譜面を見ながら聞く癖をつけましょう。いつも譜面を見ながら聞いていると、電車の中でウォークマンで聞いていても、譜面が頭に浮かぶようになります。曲を聞きながら、(個別のコードはわからなくても)この曲の12小節のサビがいいなあ、と思えるようになれば、コードコピーまでかなり近づいてきています。

【3】コードの取り方は人によって癖がでます。コードに強い他のコード楽器の人(自分がギターならピアノの人がベスト)と1つの曲のコードを別々にとって、それを突き合わせるのが一番いい。そんな人と一緒にバンドを組めればめきめき実力が付きます。私は大学の4年間、この方法で身につけました。
(譜面本でもコードの照合は可能ですが、色々な人が採譜していて取り方が様々だし、なぜそういうコードにしたかという考え方が聞けないので。)

【4】作曲された時代によって、コード進行の複雑さが全然違います。当然、最初は易しい曲から始めないといきなり挫折します。最近のJ Popは、コード進行が非常に複雑なものが多いのでやめましょう。1970年代前後のロックポップスあたりが一番容易です。

【5】「なるべく楽器で音をとらないでコードコピーできるようになる」、というのが最終目標です。
曲のコードコピーを出来るようになりたいなら、このために何をすればいいか、と考えるのが近道です。

今回は、上から目線みたいな書き方になってしまいましたが、お許し下さい。
やっていればそのうち出来るようになりますよ、という根拠のない楽観論を書きたく無かったので。
(ネットで検索して、そういう記事がとても多かったので。)
楽器を弾いているだけでは、いつまでたってもコードコピーは出来るようになりません。でも出来るようになれば、音楽を主導的に楽しむことができます。CDやYoutubeを聞いていても、好きな曲を自分で演奏してみることが出来る訳ですから。

自分の好きな曲の譜面を自分で作ってみたい‥‥‥と思いませんか?

Comments
 耳が痛い
耳コピ、漠然としか考えてませんでした.....
今回のお話、耳が痛く 胸が痛い(これは憂歌団か)です。
リズムは注意して聴いてるつもりでしたが、コード進行は漠然と1-6-2-5とか
1-3-6-1-2-5等の古い小唄的パターンは、いつの間にか覚えちゃった。
けど譜面を見たりまでしなかったから、書くことも考えたことなかったです。
もうちょっと真面目に考えなきゃいけないです。反省!
 Re: 耳が痛い
こんばんわ、コタパパさん。
コタパパさんは自分のバンドの曲の譜面を作っているとのことでしたから、既に一定のレベルに達しているのだと思います。
セッションなどで相談されることがあり、話を聞くと、それではいつまでたっても難しいでしょ(面と向かって言いませんが。)ということが多かった。
一方、ネットを読むと、(既に能力を身につけた人が書いているからか、)苦労しなくても曲のコードコピーなんてできますよ、的な記事が多かったので、今回は自分の経験そのままを書いてみました。
 コードの耳コピ
単音のメロディや、ゆっくりのアドリブを耳コピするのも青息吐息の自分としては、和音、コードの耳コピは、ほとんど無理と、あきらめていて、中学の頃から、フォークギターで簡単なコードをかき鳴らしながら、曲のコード進行を手探りで伴奏してしまう友人たちがうらやましかったです。

どうも自分は、ハーモニー感覚がないようで、メロディへ単純な3度でハモることも苦手なので、コードの響きも、合っているか、合っていないのか、見分け(聴き分け?)がつきません。

AKISSHさんの解説されていように、ベースラインや典型的なコード進行から推測していけば良いのでしょうが、ジャズギター教室で理論を学んだのに、そっちをおろそかにして、スケール練習を早く弾くことばかりやってきたつけだとあきらめてきました。

譜面の無い曲で、コード進行がわかれば、単純なドラムパターンやピアノ伴奏のオケを作って、延々とアドリブしたい曲がいくつかあるので、時間をかけて、コードを耳コピしようかと、良い刺激になりました。
 Re: コードの耳コピ
こんばんわ、ギターマジシャンさん
自分でコピーした譜面も、そろそろ厚いパイプファイル3冊を超えるのですが、
ライブやセッションに持参すると、それを見た人から時々聞かれたりします。

昔はまじめに答えていたのですが、最近の傾向か、楽して楽しみたいという方向性と真逆のようで、
私には才能がないから無理だ~、みたいな反応が返ってくるだけなので、今はまともに答えてません。
でも音楽と真剣に向き合おうとしている人が、何かの拍子で読んでくれることもあるかも知れない
と思い書いてみました。
 すばらしい!
すごく良い記事でした!
 Re: すばらしい!
こんにちは、Bach Bachさん。
プロ活動をされていたBach Bachさんであれば、当然というレベルだったでしょう。
上達するためには努力が必要、という当たり前のことを言うのもはばかられるって、
やはり変ですね。
 
楽器はギターから始めて、ベースをメインでやっていたので、コードを採るのは僕はギターになりますね。キーボードはコードを鳴らすことくらいしかまだできません。

ギターは覚えやすい反面、押さえる形でコードを捉えがちですが、コードの構成音を理解するにはキーボードも弾けた方がいいかなと思います。

楽器を使わなくても感覚的にコードが分かるようになれればと思いますが、まだまだです。訓練次第でしょうが。
 Re: タイトルなし
こんにちは、JK4HNN/とっとりLC575さん。
これまで一緒にやった経験で、ベースの人は皆、コードに強かったですね。
やはり他の楽器を常に意識して演奏する楽器だからかも知れません。

Body
Since 2012.9.23
プロフィール

Author:AKISSH
.
You Tubeで好きな曲を見つけコピーしたり、
地図とカメラ片手に旅を。
世界中の街を歩いてみたいな。
(このブログについて)
(5th Anniversary)(その1)
(5th Anniversary)(その2;音源編)
(5th Anniversary)(その3;音源編)
100,000Hit記念(音源編その3)

打ち上げ花火をあげられる四季の風景時計
画面下を人々がお散歩
筆者へ連絡(非公開です)

名前:
メール:
件名:
本文:

旅行お役立ちブログ
検索フォーム

12345678910111213141516171819202122232425262728293031 08